2003 Fiscal Year Annual Research Report
2000K高温環境下における高耐久性炭素薄膜の開発
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15340086
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
菅井 勲 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (80150291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 吉郎 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (00124173)
山根 功 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (50013769)
川上 宏金 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50013412)
荒木田 是夫 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (00113415)
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Keywords | 荷電変換フオイル / 重イオン加速器 / 電子ストリピング / 炭素薄膜 |
Research Abstract |
初年度は次に述べる2点に専念した。加速器からのイオン質量(M)とレーザーの光振動数(ν)の高温度による炭素フオイルの膜厚減少の違いを調べるための炭素膜テスト用高真空高温度試験装置を設計、組み立て製作を行なった。しかる後、真空リークテストを行ないベーキング無しで〜3x10^<-6>Paの到達真空度を得た。この試験装置は2重の円筒真空容器から成り、両真空容器はテストする直径35mmの炭素フオイルで仕切られている。また後ろの出口窓にはレーザービーム光軸に対して25°方向に高温加熱による炭素膜の最高温度並びに温度分布を測定する高感度赤外線温度画像装置を取り付けた。本装置にはこの他レーザースポット観測用石英窓、質量分析計、水晶膜厚計、電離真空計、ピラニー真空計を取り付け試験装置としての形は整った。 我々独自に開発したCADAD蒸発源を用いての厚い長寿命炭素フオイルの開発はこれまでの製膜の限度であった厚さ〜130μg/cm2はガラス基盤の表面処理をする事によって200μg/cm2まで厚くできるように改善された。この炭素フオイルを東工大(理)の3.2MeVのNe+イオンビームで寿命テストしたところ炭素フオイルの温度は〜1700Kの高温度にも関わらず市販の炭素フオイルに比べて寿命が50倍、かつピンホールが少なく膜厚減少量は従来のフオイルの1/2であった。この結果は今後のR&Dに大きな弾みをつけることになった。 一方、本試験装置に使用する長寿命炭素フオイルを開発するための新型カソード水冷型アーク蒸発源と立型アーク蒸発源の2元炭素アーク蒸発源の設計、製作は完成した。16年度の4月からこれら2つのアーク蒸発源をEBX-2000の大型クライオポンンプ付け真空装置に取り付け、新しい炭素蒸発源として完成させる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] I.Sugai, Y.Takeda, H.Makii, et al.: "Target Preparation of highly adhesive enriched 12C on Au substrates by a HIVIPP method"Nuclear Inst.and Methods in Physics Research, A. 521・1. 227-234 (2004)
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[Publications] I.Sugai, Y.Takeda, M.Oyaizu, et al.: "Lifetime improvement of nitrided carbon stripper foils by ion beam sputtering with a binary gas mixture"Nuclear Inst.and Methods in Physics Research, A. 521・1. 187-191 (2004)
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[Publications] I.Sugai, Y.Takeda, M.Oyaizu, et al.: "A test preparation of thick carbon stripper foils for RCS of J-PARC"Nuclear Inst.and Methods in Physics Research, A. 521・1. 192-196 (2004)