2003 Fiscal Year Annual Research Report
銀河間物質からの酸素輝線検出のためのマグネティックカロリメータの開発
Project/Area Number |
15340088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
山崎 典子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 高エネルギー天文学研究系, 助教授 (20254146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 欣尚 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10285091)
藤本 龍一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 高エネルギー天文学研究系, 助手 (20280555)
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Keywords | 放射線検出器 / SQUID / 磁気温度計 / 高エネルギー宇宙物理 / 銀河間物質 |
Research Abstract |
今年度は、マグネティックカロリメータ素子の製作、物性測定をまず行った。金に微量のErを溶融し、小片にしてRF-SQUIDによって磁化測定を行った。数gの材料において、目標の1000ppmレベルになっていることを確認した。20mg程度に分割した際のムラはfactor 2程度であった。 また、マグネティックカロリメータを冷凍機中で駆動させるために、DC-SQUIDの設置、磁場印加用のコイルの作成を行った。目標の数mTの磁場をかけること、またその環境下でSQUIDの動作をさせることに成功した。 そこで、希釈冷凍機中に、0.2mgに切断したマグネティックカロリーメータ素子、Nb-Ti線によるピックアップコイル、SQUIDを設置し、241Amによる5.5MeV α線の照射実験を行った。80mK,100mK,120mKに冷却し、放射線からのパルスを検出することができた。これが照射によるパルスであることは、磁場の向きで信号出力が反転すること、線源を取り除くとパルスが出ないことなどから確実であり、日本初のパルスであることから、論文として投稿中である。ただ、予想よりも波高値がかなり小さく、この原因としては、Er濃度の不均一性によるものではないかと考えられる。今後素子製作方法の改善を行い、さらに実験を重ねる予定である。 観測的研究としては、銀河間物質からの酸素輝線の検出可能性について、数値シミュレーションによる解析を行い、論文にまとめた。またXMM-Newtonによるクェーサーの吸収線の観測により、マージナルではあるが、銀河間物質の存在の証拠を検出し、論文にまとめている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Furusho, N.Y.Yamasaki, T.Ohashi: "Chandra Observation of the Core of the Galaxy Cluster AWM7"Astrophysical Journal. 596. 181-189 (2003)
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[Publications] K.Yoshikawa, N.Y.Yamasaki, 他5名: "Detectability of the Warm/Hot Intergalactic Medium Through Emission Lines of OVII and OVIII"Publications of The Astronomical society of Japan. 55. 879-890 (2003)