2004 Fiscal Year Annual Research Report
ドメイン制御した高温超伝導体のCuO_2面における1次元磁気異方性の中性子散乱研
Project/Area Number |
15340109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣田 和馬 東京大学, 物性研究所, 助教授 (90272012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿曽 尚文 東京大学, 物性研究所, 助手 (40313118)
木村 宏之 東北大学, 多元物質化学研究所, 助手 (50312658)
松浦 直人 東京大学, 物性研究所, 助手 (30376652)
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Keywords | 高温超伝導 / La_<2-x>Sr_xCuO_4 / 中性子散乱 / 1次元的スピン変調 / Dewtinning / スピンダイナミクス |
Research Abstract |
本研究は、ドメイン制御したLa_<2-x>Sr_xCuO_4とBi_2Sr_<2-x>La_xCuO_6単結晶試料のスピンダイナミクスの研究を行い、反強磁性スピンダイナミクスに対する1次元的スピン変調の効果と、La_<2-x>Sr_xCuO_4とBi_2S_<2-x>La_xCuO_6に共通する性質が何かを明らかにすることを目的としている。 ドメイン制御した単結晶は大型化が不可能なため、複数の結晶を整列させて実効体積を増加させる必要がある。昨年度は、高エネルギーX線回折装置とCCDカメラを用いたシステムの開発に着手したが、今年度はさらに中性子シンチレーターと高感度冷却CCDを組み合わせた中性子カメラの製作を行なった。テスト実験では、高温超伝導体結晶のBragg反射から、中性子ダイレクトビームまでの広い強度範囲で、明確な実空間像をとらえることに成功した。これにより結晶の整列の制度と効率が格段に向上するとともに、現在進めている中性子散乱分光器の高度化プロジェクトにも大きく寄与すると考えられる。 今年度はとくにLa_<2-x>Sr_xCuO_4にNi不純物を少量ドープした系の非弾性散乱を系統的に行ない、スピンダイナミクスが現の低下にともなって低エネルギー方向にrenormalizeされる結果を得た。これまで行なってきたZn不純物の場合、スピンダイナミクス全体は変化せず、スピンギャップ内に新しい状態が現れるのとは対照的であり、不純物によってCuO_2面の超伝導状態が受ける影響が定性的にも大きく異なることを示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Resonant inelastic x-ray scattering study of the hole-doped manganites La_<1-x>Sr_xMnO_3 (x=0.2,0.4)2004
Author(s)
K.Ishii, T.Inami, K.Ohwada, K.Kuzushita, J.Mizuki, Y.Murakami, S.Ishihara, Y.Endoh, S.Maekawa, K.Hirota, Y.Moritomo
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Journal Title
PHYSICAL REVIEW B 70
Pages: 224437
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