2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340124
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 克也 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40265731)
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Keywords | 分子磁性体 / キラル分子磁性体 / 磁気光学効果 / 磁気不斉二色性 / キラル磁気構造 / ヘリカル磁気構造 / コニカル磁気構造 / 磁気光学効果 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、1)不斉な磁気双極子場の大きな(キャントアングルの大きなコニカルスピン構造を持つ)新しいキラル磁性体の構築、2)転移温度が室温以上の透明なキラル磁性体の結晶の構築を行う。ことであった。1)については、合成に成功した。2)については、転移温度73Kという、これまでのものに比べて大幅に上昇させることが出来たものの、至っていないが、方法について新指針を得ている。 1)について 不斉な磁気双極子場(スピンのヘリシティ)の大きな新しいキラル磁性体の構築:磁気構造のヘリシティは、主に電気双極子の偏りとスピンの零磁場分裂定数Dによる。電気双極子の偏りは、分子そのものと構造から来る電気双極子の大きさおよび構造に由来し、構造の要因はらせんにスピンを配列した場合、らせんピッチが小さく、らせん半径が大きいほど大きくなると考えられる。スピンの零磁場分裂定数Dによる要因では、スピンー軌道相五作用の大きな磁性イオンを用いること、を集中的に行った。その結果、大きな軌道磁気モーメントを有する、Mo^V, W^Vを用いて、相手の遷移金属イオンとしてCu^<II>、不斉誘導のキラル有機配位子として(RまたはS)ジアミノプロパンを用いたとき、それぞれ転移温度38Kと9Kの錯体を得ている。これらの錯体について単結晶X線結晶構造解析、磁気測定を行い明らかにした。磁気構造に関しては現在検討中である。
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Research Products
(17 results)