2003 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理に基づくランドスーケープの決定とガラス転移の統一概念
Project/Area Number |
15340139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小田垣 孝 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90214147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 淳 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10274424)
吉森 明 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90260588)
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Keywords | ガラス転移 / 自由エネルギーランドスケープ / 協調緩和領域 / 同時緩和領域 / インタラクティブMD法 / 比熱の冷却速度依存性 / 最密充填 / ラディカルテセレーション |
Research Abstract |
1.粒子の平均位置を与えた非平衡系の自由エネルギーを、密度汎関数理論を用いて決定できることを示した。結晶状態から強制的に数個の原子を変位させたときの自由エネルギー構造を具体的に求め、自由エネルギーランドスケープを決定できることおよび協調緩和領域を決定できることを示した。 2.インタラクティブ分子動力学シミュレーションを用いて過冷却液体の緩和過程を詳細に解析し協調緩和領域に二つの定義、同時に構造変化を起こす領域とその緩和を支援する領域、が存在することを示した。 3.これまでに開発した自由エネルギーランドスケープ描像に基づく非平衡系の比熱を求める理論的枠組みを用いて、より実験に近い過程における比熱の温度依存性を求め、ガラス転移点近傍の比熱の冷却速度依存性がランドスケープ描像で説明できることを示した。 4.大きさの異なる二種類の粒子の最密充填構造の充填率をシミュレーションを用いて解析し、その半径比と濃度依存性を全パラメーター領域において決定した。粒径比が近い領域では、粒子の混合により必ず充填率が低下することを示した。ラディカルテセレーションに形成されるネットワークの構造解析を行い、充填率とネットワークのもつ三角形の分布との関係を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kawasaki: "Absence of self-averaging in the complex admittance for transport through disordered media"Physical Review B. 67. 134203-1--16 (2003)
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[Publications] Y.Kubota: "Numerical study of soliton scattering in inhomogeneous optical fibers"Physical Review E. 68. 026603-1--9 (2003)
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[Publications] 小田垣 孝: "統計力学"裳華房. 229 (2003)