2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子複雑系におけるスローダイナミックスの広帯域誘電分光とフラクタル解析
Project/Area Number |
15340141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
八木原 晋 東海大学, 理学部, 教授 (40191093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新屋敷 直木 東海大学, 理学部, 助教授 (00266363)
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Keywords | 分子複雑系 / 広帯域誘電分光 / スローダイナミクス / 水和構造 / 高分子水溶液 / 緩和時間分布 / フラクタル構造 / 形状パラメータ |
Research Abstract |
広帯域誘電分光システムの構成サブシステムとして,精密インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー)と差動TDRモジュールを組み込み,設計・製作した電極エアラインを接続してセットアップを施した。さらに含水量や温・湿度を調整するため,サンプルホルダーや温度調節ジャケットを設計・製作した。 Poly(vinylpyrrolidone)[PVP]水溶液は,誘電分光他多くの測定が従来行われてきた標準的な高分子水溶液なので,システム改良を確認するための実験試料として用いた。従来よりも温度域をさらに低温側に拡張して様々な濃度・温度で,含みズ量の変化に伴う緩和スペクトルの変化を明らかにするため,電極設計を含めた誘電分光の周波数特性を改良した。さらに,水と同様な水素結合性液体であるアルコールで水を置き換えた系の測定も行い,これらの溶媒分子の緩和と,PVP分子鎖のミクロブラウン運動による緩和をそれぞれ観測した。溶媒分子の緩和はGHz帯,PVP鎖の緩和はMHz帯で観測された。水素結合の密度による緩和パラメータの解析の結果,この密度が増加する溶媒分子種では分子鎖ダイナミクスの緩和時間が小さくなり,この緩和機構が水素結合の生成消滅に関係していることがわかった。 一方,2成分低分子臨界水溶液,多糖類水溶液,高分子ゲル系,リポソーム分散系や皮膚など,あらゆる水系に含まれる水のスローダイナミックスを観測し,拘束された水や他の水素結合性分子液体の多様な構造とダイナミクスについて誘電分光を行った。水のスケールされた緩和時間がこの系の構造を特徴付けるフラクタル次元でどう表現されるかを調べるため,緩和時間と形状パラメータのダイアグラムを作成したところ,これらの物質群の親水・疎水性を反映すると思われる数種類のパターンが得られるようになってきた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Asano: "Dielectric Relaxation Spectroscopy to Investigate Structured Water in Mortar"Proceedings of International Symposium of Non-Destructive Testing in Civil Engineering. (印刷中).
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[Publications] S.Tsubotani: "Broadband dielectric study on dynamics of Poly(vinyl pyrrolidone)- Poly(ethylene glycol) blend"Proceedings of The 3^<rd> International Symposium of Slow Dynamics in Complex Systems (AIP conference proceedings). (印刷中).
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[Publications] S.Sudo: "Concentration dependence of the alpha-and beta-processes for alcohol-water mixture by broadband dielectric measurements"Proceedings of The 3^<rd> International Symposium on Slow Dynamics in Complex Systems (AIP conference proceedings). (印刷中).
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[Publications] 八木原 晋: "生体内水構造のダイナミクスと広帯域誘電分光"生物物理. 44・1. 4-9 (2003)
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[Publications] T.Hashimoto: "Dielectric Study on Polymer Gel in Frozen State"Trans.Mater, Res.Soc.Japan. 28・3. 997-1000 (2003)
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[Publications] Tsuyoshi Yokomizo: "Rotational motions of solvent site-dipole field around a protein"Chem.Phys.Lett.. 374. 453-458 (2003)
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[Publications] 八木原 晋: "水ハンドブック"丸善(共著:p47-p49). 705 (2003)