2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 功夫 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (60022670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 良夫 海洋研究開発機構, 地球内部センター, センター長 (10022708)
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30272503)
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Keywords | 長周期地震動 / レーザー干渉計 / 歪み地震計 |
Research Abstract |
本研究においては、これまでの地震計ではシステムに起因すると思われるノイズが多く、良い観測が得られていない超長周期地震動の観測を、レーザー干渉計を利用して実現しようと言うものである。これまでに、本科学研究費補助金がスタートする以前の試作器から始まり、昨年度にはこれを大幅に改装し、実用的な超長周期地震計として観測を開始した。 今年度はこの超長周期地震計を利用して実際に観測をし、その問題を見つけだすことと、その対策の検討を行った。年度の初めに記録システムを準備し、開発されたレーザー干渉型歪み計による観測は2004年8月に開始した。ほぼ1ヶ月の記録を検討してみると、予想以上に気圧変動の影響が大きいことが分かった。気圧変動がこのシステムに大きく影響する原因を、観測室内の気圧や気温変動の観測をもとに検討した結果、観測壕内の温度分布異常によることが判明した。本来、観測壕内の温度は入り口から奥へとスムーズに変化をしているが、歪み地震計を設置した部屋にレーザー発信器が設置されており、この部分で温度が高くなっていた。この調査の結果、外気圧変動が変動することによって、この部屋の空気が移動し、温度の変化が大きくなっていることが分かった。 これを解消するため、レーザー発振器等熱を発生する機器を観測壕入り口近くの部屋に移動し、外気圧変動による観測壕内の空気の移動があったとしてもその影響が少なくなるように配置した。さらに、観測室内の温度変化を千分の1度、気圧変化を百分の1hpの高感度で観測し、温度や気圧変化の影響を詳しく観察できるようにした。現在、観測を継続中であるが、最近の2ヶ月の記録を見たところ、当初に比べかなり改善されたと思われる。得られている記録を早急に解析し、その結果を詳細に検討する予定である。
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