2003 Fiscal Year Annual Research Report
小型ラマンライダーを併用した可搬型下部対流圏水蒸気プロファイラの開発
Project/Area Number |
15340156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓司 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (40217857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古本 淳一 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 特別研究員(PD)
津田 敏隆 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30115886)
阿保 真 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20167951)
堀之内 武 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助手 (50314266)
橋口 浩之 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (90293943)
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Keywords | ライダー / ラマン散乱 / 水蒸気プロファイル / 自動観測 / 対流圏 / エアロゾル / 音波電波併用レーダー / リモートセンシング |
Research Abstract |
本年度は、Lバンドレーダーの観測下限高度である200mの高度の観測に特化したライダーの受信部の開発を行った。このために、ライダー方程式からシステムを設計し、望遠鏡、データ取得装置(スケーラ、レコーダ)、および光電増倍管(PMT)などの光学部品を選定して必要な物品を購入した。実験は、信楽にある既存のYAGレーザー送信機を用いて行った。システムの詳細な検討の結果、Nd:YAGレーザーの2倍高調波(532nm)と、607nmおよび660nmの窒素および水蒸気ラマン散乱を受信することで、200mの高度周辺を昼夜にかかわらず観測するチャンネルと夜間晴天時に高度プロファイルを得るチャンネルを別系統の光学系にすることを提案し、プロトタイプとして両者のどちらにも使えるポータブルなライダーシステムを試作した。この結果、高度200mの水蒸気量を連続的に計測できることを試験観測から示した。とりわけ、シンプルなシステムで昼間の観測の可能性を検証できたことは大きな成果であった。 また、上記のライダーと下部対流圏プロファイラレーダー(LTR)のRASSとを同時に動作させるための準備としてLTRとMUレーダーのエコー強度の比較を詳細に行い、両者の観測を結合して地上200mから対流圏上部までの連続プロファィルを得ることに成功した。 さらに長期観測のための、ライダー自動観測の制御ならびに表示ソフトウエアを開発し試験を行うとともに、全天候型の観測を行うためのライダーの収納および設置方法の検討を行った。 以上のように本研究は順調に推移している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Behrendt, A., T.Nakamura, T.Tsuda: "Combined Raman Iidar for the measurement of atmospheric temperature, water vapor, particle extinction coefficient, and particle backscatter coefficient : System upgrade"Appl.Optics.. (in print). (2004)