2005 Fiscal Year Annual Research Report
数値モデルによる熱帯モンスーン降水の日周変化とその年々変動機構に関する研究
Project/Area Number |
15340157
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
里村 雄彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20273435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 憲敬 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00222183)
鼎 信次郎 総合地球環境学研究所, 助教授 (20313108)
大澤 輝夫 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (80324284)
|
Keywords | 熱帯 / アジアモンスーン / 降水変動 / 日周期 / 年々変動 / 数値シミュレーション / 雲解像モデル / 領域気候モデル |
Research Abstract |
昨年度に雲解像モデルによるシミュレーションで再現に成功したバングラデシュ東北部の降水日変化の発生原因について10日間の解析対象期間を設定してシミュレーションを行った。その結果、夜間にベンガル湾から気塊が流入するのに伴い水蒸気フラックスが顕著に増大すること、降水システムの後背部での冷気湖は対流圏中層の低相当温位層が強い降水によって湿潤断熱過程で降下して形成されることを解明し、論文にまとめて発表した。 また、インドシナ半島全域、インド洋、南シナ海、海洋大陸を含む広領域での1ヶ月間の領域気候モデル計算も実行し、MJO東進に伴う大規模な雨域の移動を再現することができた。同じ計算期間・領域に対し、計算結果の対流パラメタリゼーション依存性も調査し、ごくおおまかなパターンの再現性は良いが細かなパターンはパラメタリゼーションによってかなり違うこと、降水量の絶対値がパラメタリゼーションによって大きく違うことなどが分かった。降水の季節変化に大きな役割を果たすモンスーン中期〜後期の台風についても事例計算を行い、台風の移動とその衰弱や内陸の降水システムについて、ほぼ再現することに成功した。さらに、モデル下面境界となる土壌水分の影響についても気候モデル計算を行って論文にまとめて発表するなど、将来の熱帯領域気候モデル開発の足がかりを得ることができた。モデル検証に必要なモンスーン変動の諸特性のデータ解析も進め、特に季節内変動と呼ばれる変動の内、10-20日周期変動に着目して詳細にその性質を調べ、論文にまとめて発表した。
|
Research Products
(6 results)