2005 Fiscal Year Annual Research Report
2次元分光イメージング装置の開発による惑星・衛星外圏大気の放出過程の探査
Project/Area Number |
15340160
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三澤 浩昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90219618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50004479)
岡野 章一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10004483)
土屋 史紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10302077)
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Keywords | 2次元分光 / イメージング / 惑星 / 衛星 / 外圏大気 / 大気放出過程 / 水星 / イオ |
Research Abstract |
本研究では、密度が低く殆ど粒子同士の衝突のない希薄な大気(外圏大気)を持つ2つの天体:水星、イオ衛星について、地上観測及び観測結果とモデル計算との比較・検討により、大気放出過程の探査を行う。水星とイオ外圏大気に含まれるナトリウム大気は太陽光の共鳴散乱により可視域で比較的明るい発光を示すが、このナトリウム大気発光をトレーサーとして、外圏大気の放出過程の探査・究明を行うことを目的として研究を遂行している。 今年度は、昨年度までに開発を行った2次元・1次元光束配列変換型分光イメージング装置の光学系と、既存の60cmφ望遠鏡、高分散分光器および冷却CCDカメラとの組合せて、分光性能、結像性能の最終調整を行った。更に、イオ衛星起源と水星起源のナトリウム希薄大気を対象とした2次元分光イメージング装置の調整および本観測を実施した。イオ起源大気の観測では、本研究グループの従来の観測から、大気放出量に太陽方向依存性の存在が示唆されてきたが、その存在の確認と放出様相の確認を主な目標として観測を実施した。一方、水星については、発光域の短期変動の検出を目標にして、地球大気の擾乱の影響を受けにくく発光域の形状確認に適した高々度での観測を実施した。これらの観測は平成18年3月も継続中であり、希薄大気の放出過程について、貴重なデータを得つつある。 一方、大気放出過程の考察に関しては、特に水星の広域大気について考察を進めた。当グループが開発した希薄大気の生成・消失に関する計算コードを用いて、高速計算機を導入して数値実験を進め結果、米国のグループにより提唱されてきた大気成因予測では不十分であり、太陽風による水星表面の大気粒子の叩出しが、より効果的に働いていることが示された。この結果は国際学会(国際地球電磁気学・超高層大気物理学協会学術総会:平成17年7月仏国ツールーズ)で発表するとともに論文発表を行った。
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Research Products
(5 results)