2006 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙プラズマ中における高度電界観測システムの開発・研究
Project/Area Number |
15340163
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小嶋 浩嗣 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (10215254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 弘蔵 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80026369)
大村 善治 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (50177002)
臼井 英之 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (10243081)
八木谷 聡 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (30251937)
篠原 真毅 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (10283657)
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Keywords | 低ノイズプルアンプ / アンテナインピーダンス / プラズマ波動 / 宇宙プラズマ / アナログASIC / 計算機実験 / 光電子 / 小型観測器 |
Research Abstract |
平成18年度は、これまで開発してきた低ノイズ電界測定用プリアンプに改良を加え、高域周波数帯において特性の悪化がみられたものを、50MHzまで特性を伸ばすことに成功した。これは、初段FETの後段にもってきたアンプ回路の特性改善によるものである。これによって、入力換算で3nV/sqrt(Hz)程度のノイズレベルで数10MHzまで特性の伸びたプリアンプの開発に成功したことになる。電界アンテナのインピーダンスに関する計算機実験では、引き続き、大規模なシミュレーションの実績を積み上げた。特に、衛星の形状に対し、無視できない程度の長さのアンテナ長の電界センサー特性などについて解析を行った。また、昨年度から継続して、片方向だけから日光があたって、光電子の放出に偏りがあったり、片方のアンテナのみに影が落ちたりした場合などの特性変化に対し、詳細な結果を得ることができた。これらのような複雑でしかも、より実際の宇宙空間の状態に近いシミュレーションモデルの導入が可能となり、単純な真空インピーダンスだけでは、特にプラズマ周波数近傍では、近似できないこと、光電子密度によっては、その影響も現れること、などを定量的に計算することが可能となった。次ぎに、電界観測システムとして次世代に必要となる小型化についての検討を行い、アナログASICを用いた非常に小型化したシステムの実現が可能となることを、回路設計と試作・実験によって示すことに成功した。特に、アナログASIC内部に低周波数帯用の帯域制限フィルタを実現できることを示し、これらを複数チャンネル並べることによって、多チャンネル型のスペクトル観測器が非常に小型化した状態で開発することが可能となった。
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Research Products
(2 results)