2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340166
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 慎 千葉大学, 理学部, 教授 (10201930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 正樹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30127914)
|
Keywords | 河川堆積物 / 古河川水文学 / 温室期 / 氷室期 / ストーム / 土壌化 / 相対的海水準 / 側方付加 |
Research Abstract |
平成16年度は、白亜系の手取層群、山中白亜系、双葉層群、古第三系の岩城層、ならび第四系の上総・下総層群を対象とした野外調査を中心として研究を行った。今年度は、温室期と氷室期に形成された河川堆積物ならびに、河川によって形成された侵食地形を埋積した堆積物を主な検討対象として、気候変動に対応した古河川水文学的特徴の変動についての解析を行った。この中で、温室期あるいは温暖な時代に河川システムにともなって氾濫源での土壌化作用の影響が強く働いていること、これら温室期あるいは温暖期に形成された土壌起源の砕屑粒子が氷室期あるいは寒冷な時代に侵食され、海水準の特に低下初期に沖合へ運搬され、半遠洋性シルト岩を構成していることが明らかとなってきた。また、河川システムの発達と間接的に大きく関係するストームの規模と地球環境との関係を従来の研究成果とともに、新たなデータを加えて再検討した結果、過去6億年で見た場合、いくつかの温室期の最も温暖であった時代の前後、すなわち、地球環境が温暖な時代へ向かう過程で、あるいは温暖期最高期以降の寒冷可に向かう過程でストームの規模が大きくなっていた可能性が明らかとなってきている。さらに、今年度は相対的海水準の上昇にともなう河川チャネルの形態的変化に関する検討を行った。現在までに得られているデータにも基づくと、相対的海水準の上昇にともなって側方付加するバーの頻度が増加する傾向にあることが明らかとなってきた。従来のモデルで主張されていたレンズ状岩体の頻度が多くなるような傾向はこれまでのところ明らかではない。この点については次年度の研究においてさらに詳しく検討していく予定である。
|
Research Products
(2 results)