2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟体動物の初期発生における外套膜分化と原殻形成の比較形態学・生体鉱物学的研究
Project/Area Number |
15340175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
棚部 一成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20108640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 猛智 東京大学, 総合研究博物館, 助手 (70313195)
小暮 敏博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50282728)
伊左治 鎮司 千葉県中央博物館, 地学研究部, 研究員 (40280747)
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Keywords | 軟体動物 / 初期発生 / 原殻 / 胚殻 / 比較形態学 / 生体鉱物学 / 進化 |
Research Abstract |
1.現生腹足類の発生と原殻形態に関する研究 分担者の佐々木は、様々な現生腹足類の幼生の原殻を比較し、グループごとに異なる形や彫刻を持つことを確認するとともに、原殻の形を分類形質として利用して新種を記載した(Okutani et al.2004)。さらに、原殻の成長過程の一部をAsterophila属で観察した結果、左右相称のカップ状の原殻はトロコフォア期に形成され、成長とともに付加成長して、ベリジャー幼生期には螺旋状の殻を持つことが判明した。最初に形成された部分には中央部分にくぼみがあり、その周辺には放射状のしわがある。これらの特徴は、腹足類の姉妹群である原始的頭足類オウムガイ類でも認められることから、系統的な制約を受けている可能性がある(これらの成果は近日中に専門誌に投稿予定)。 2.化石頭足類の胚殻の微細構造に関する研究 アンモナイト類の胚殻化石の報告例はいくつかあるが、その形成過程については研究者の間で意見の一致を見ていない。代表者の棚部は、ロシアの下部白亜系産の初生的な殻体構造を残したアンモナイトAconecerasの胚殻微細構造を走査型電子顕微鏡により観察し、その構築過程を明らかにした(その詳細は、国際誌に投稿予定)。
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Research Products
(6 results)