2004 Fiscal Year Annual Research Report
珪酸塩ガラスの静的及び動的圧縮によるナノ構造と物性の変化
Project/Area Number |
15340185
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
奥野 正幸 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40183032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 國昭 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70019503)
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
阿藤 敏行 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40241567)
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Keywords | 珪酸塩ガラス / ナノ構造 / 衝撃圧縮 / X線回折法 / 赤外分光法 / ラマン分光法 / 熱分析 |
Research Abstract |
本研究では、地殻・マントル上部でのマグマの挙動を理解するうえで重要な、珪酸塩ガラスの高圧力下でのナノ構造や物性の変化を明らかにすることを目的としている。本年度は、NaAlSi_3O_8及びSiO_2-GeO_2組成のガラスを作成し、これらのガラスについて衝撃圧縮実験を行い、生成した高圧力ガラスについてそのナノ構造の変化を調べ以下のような成果を得た。また、天然のSiO_2非晶質相であるオパールについても、衝撃圧縮実験を行った。 1、NaAlSi_3_8ガラスについて、約40GPaまでの衝撃圧縮実験を行い、約25GPaの圧力で約4%の最大密度増加を確認した。この密度増加は、すでに我々が報告しているSiO_2ガラス及びCaAl_2Si_2O_8ガラスの密度増加(11%、2%)の中間であり、この違いは常圧でのガラス構造の違いに起因していることを明らかにした。 2、次に、SiO_270%-GeO_230%組成のガラスを作成し、40.0GPaまでの衝撃圧縮を行った。得られた、衝撃ガラスについて、X繰回折測定、ラマン分光測定、ならびに赤外分光測定を行い、そのナノスケールの構造を明らかにした。その結果、約20GPaの衝撃圧力で最も顕著な構造変化(GeO4,SiO4四面体の結合角の減少、及びこれら四面体でできるリング構造が小さくなる)が認められ、さらにSiO_2-GeO_2系ガラスではGeO_2成分の増加にともない構造変化が起こる圧力が低下することを明らかにした。 3、さらに、天然のSiO_2非晶質相であるオパールについても、衝撃圧縮実験を行った。この試料については、17年度に構造変化などについて研究を進める予定である。 4、上記の研究の一部を、学会で発表するとともに論文として公表した。なお、今年度、購入した示査走査熱量計を用いて、得られた試料について測定を行い、現在解析中である。
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Research Products
(6 results)