2006 Fiscal Year Annual Research Report
珪酸塩ガラスの静的及び動的圧縮によるナノ構造と物性の変化
Project/Area Number |
15340185
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
奥野 正幸 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40183032)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 國昭 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70019503)
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
阿藤 敏行 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (40241567)
|
Keywords | 珪酸塩ガラス / ナノ構造 / 分子動力学法 / MgSiO_3-CaSiO_3 / オパール / X線回折法 / 赤外分光法 / 高圧力 |
Research Abstract |
本研究では、珪酸塩ガラスの高圧力下でのナノ構造の変化を明らかにすることを目的とし、MgSiO_3-CaSiO_3系ガラスの高圧下での構造変化、人工オパールの衝撃圧縮による変化を調べると共に、高圧珪酸塩ガラスのアナログ物質としてのCaO-GeO_2系ガラスの構造についても研究を行い以下の成果をあげた。 1、MgSiO_3-CaSiO_3系ガラスの構造について、分子動力学計算によるシミュレーションでナノ構造の圧力変化を調べた。その結果、15GPaまでSiの配位数は変化しないが、Mg,Caイオンの周囲の構造が大きく変化することを明らかにした。具体的には、1)SiO_4四面体の結合角(∠Si-O-Si)の減少 2)Mg,Caの配位数の増加 3)中距離構造の圧縮が主な構造変化であることを明らかにした。 2、非晶質オパールを人工的に合成し、その試料について衝撃圧縮実験を行った。その結果、人工オパールは、27GPa以上の圧縮で水酸基の多くを失いシリカガラスに類似した構造になることを明らかにした。また、約40GPaで圧縮した試料は、多くの水酸基やオパール特有の球状構造が見られないにもかかわらず遊色がみられた。 3、CaO-GeO_2系ガラスを溶融急冷法で作成し、そのナノ構造をX線回折及び赤外分光測定の結果から調べた。その結果、CaO成分の増加に伴うGe原子の配位数の増加を見出した。この結果は、10〜15GPa以上の高圧力下ではCaSiO_3ガラスのSi原子の配位数が増加する可能性があることを示す。 4、上記の研究の一部は、学術論文として公表するとともに、国際鉱物学連合(IMA)において発表した。 なお、年度当初予定していた、Ca_3Ai_2Si_3O_<12>-Mg_3Al_2Si_3O_<12>などについての研究は、試料作成がうまく行かず実施できなかったが、新たにCaO-GeO_2系ガラスについて成果をあげることが出来た。
|
Research Products
(6 results)