2005 Fiscal Year Annual Research Report
結像型X線マイクロトモグラフィーによる惑星間塵の超高分解能3次元構造の研究
Project/Area Number |
15340186
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土山 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90180017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 晃久 高輝度光科学研究センター, SPring-8・利用研究促進部門, 研究員 (70426526)
上杉 健太朗 高輝度光科学研究センター, SPring-8・利用研究促進部門, 研究員 (80344399)
野口 高明 茨城大学, 理学部, 助教授 (40222195)
中村 智樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20260721)
中野 司 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 主任研究員 (90212092)
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Keywords | 惑星間塵 / 超炭素質微隕石 / スターダスト / マイクロトモグラフィー / SPring-8 / 彗星塵 / 差分法 / フラクタル |
Research Abstract |
昨年度改良をおこない高空間分解能(【greater than or equal】0.2μm)・広領域(2000x2000画素)撮影が可能となったSPring-8の投影型X線マイクロトモグラフィー装置を用いて、原始太陽系の始原的な情報をもつ宇宙塵およびスターダスト回収サンプル(彗星塵)の3次元構造を明らかにした。また、一部サンプルについては、FeのK吸収端を用いた差分法よりFeの3次元分布を求めた。 宇宙塵の中で小さな惑星間塵(【less than or equal】数10μm)のうち無水惑星間塵は、彗星起源と考えられている。また、これに類似する大きな超炭素質微隕石(【less than or equal】数100μm)が最近発見された。超炭素質微隕石は、Feを含む珪酸塩と炭素質物質および空隙の微細な集合体中にFeに乏しい比較的大きな結晶が存在することがわかった。これらの特徴は無水惑星間塵と類似し、超炭素質微隕石の彗星起源の可能性が高くなった。超炭素質微隕石のフラクタル次元は2.7-2.8であり、ダスト形成時のフラクタル性を示唆している。 NASAのスターダスト計画により2006年1月に地球に帰還した彗星塵サンプル(【less than or equal】数10μm)は、エアロジェル(低密度非晶質シリカ)中に回収されている。超音速で突入した粒子がつくった衝突痕を含むように切り取ったエアロジェルについて、模擬サンプルも含めてCT撮影をおこなった。衝突痕の3次元構造と衝突により分裂した彗星塵粒子がその中に広範囲にわたり分布していることを明らかにした。国際的な初期分析チームの一員としてスターダストサンプルの分析を開始したばかりであり、今後衝突条件と彗星塵の再現、さらに個々の粒子の3次元構造を明らかにする。 結像型X線マイクロトモグラフィー装置を用いた宇宙塵の撮影では、個々の投影像は十分な空間分解能(70-90nm)をもっているが、大きな屈折コントラストによる影響と、測定系の不安定さにより、解析可能な3次元構造を得ることはできなかった。
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Research Products
(6 results)