2004 Fiscal Year Annual Research Report
含水地球深部物質の高温高圧下での相転移を水素原子周囲の局所構造から理解する
Project/Area Number |
15340190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鍵 裕之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70233666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角森 史昭 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60291928)
奈良 雅之 東京医科歯科大学, 教養部, 助教授 (90301168)
岡田 卓 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特任助手 (90343938)
水上 知行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 研究拠点形成特任研究員
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Keywords | 水素結合 / 地球内部 / 含水鉱物 / ダイヤモンドアンビルセル / 赤外分光 / その場観察 |
Research Abstract |
今年度は当初予定していた以上の大きな研究上の進展があった。本研究では当初は含水鉱物を主体とした固体物質中の水素原子周辺の圧力誘起構造変化を研究のターゲットとしていたが、液体の水の圧力下での構造変化過程を高圧下での振動スペクトルのその場観察によってとらえることに成功した。今後は圧力だけではなく、温度軸も加えた水のダイナミックス解明を推進していく予定である。 さらに昨年度から推進していた重炭酸金属塩の高圧下での相転移について、振動分光法と中性子回折の併用による相転移機構の解明においても大きな進展を得ることができた。現在は高圧下単結晶X線回折による重炭酸カリウムの高圧相の結晶構造解析を行っており、これまで未知であった高圧相の構造決定と、強い水素結合を持つ系の相転移プロセスの解明に大きな進展を得ることができた。また、含水アルミニウム鉱物であるトパーズの水素結合の圧力応答について、これまで全く報告されていなかった新しい現象を高圧下でのラマンスペクトル測定によって見いだすことができた。 また、天然のダイヤモンドに含まれるマントル起源流体の物理化学的性質に関する研究についても、ロシアの共同研究者との密接な協力関係によって新しい研究成果を得ることができた。 これらの研究成果についてはすでに論文が出版され、また新しい論文の投稿も準備進めている。今後も、振動分光、中性子回折、X線回折の併用による多角的な見地からの研究を推進していく予定である。来年度以降の本研究のより一層の発展が期待されている。
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Research Products
(7 results)