2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマにおける粘性散逸性の渦形成と異常粘性の測定
Project/Area Number |
15340202
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
田中 雅慶 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (90163576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 信次 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50311204)
河野 光雄 中央大学, 総合政策学部, 教授 (00038564)
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Keywords | プラズマ / 粘性渦 / 異常粘性 / 流れ場 / ドップラーシフト / 誘起蛍光法 / プラズマホール |
Research Abstract |
プラズマにおける物質や運動量の輸送を理解するため、渦の基本的構造とプラズマの異常粘性に関する研究を行なっている。プラズマは従来非粘性流体であると考えられ、ドリフト波渦を基本構造とするプラズマ乱流やそれに伴う輸送現象が集中的に調べられてきた。本研究はプラズマホールと呼ばれる粘性渦の発見を契機とし、プラズマの粘性異常と粘性渦励起の普遍性を実験的に示し、粘性渦がプラズマ輸送現象に果す役割を明らかにすることを目的としている。バーガース渦に代表される粘性渦はプラズマに限らず、ナビエ・ストークス乱流においても基本渦構造と考えられており、乱流輸送に関して本質的な役割を担うものとされている。渦の詳細な性質を調べるためには、その速度場を正確に計測する必要があるが、本研究ではYAGレーザー励起波長可変色素レーザーを導入し、レーザー誘起蛍光ドップラー分光システムを開発した。平成15年度に完成したシステムをさらに改良し、迷光の低減、集光系の改良等を行い、良好なSN比を得た。このシステムを用いてプラズマの周方向回転速度を測定し、方向性プローブの測定結果と比較することによりプローブの較正係数を決定する方法も確立した。今後、両者の利点を生かした機動的な実験が可能である。現在、測定精度は1/100Å程度であるが、繰返し測定に関して絶対波長の設定精度の問題が残っている。オプトガルバノ法とヨウ素セル吸収分光法を次年度検討し、最適なものを現在のシステムに追加する。これにより繰返し測定時の絶対波長設定精度を改善し、アルゴンプラズマにおいてマッハ数0.05以上の流速測定を高い信頼度できるようにする。あわせて、速度場の精密測定を行い、プラズマの異常粘性係数を決定する。
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Research Products
(5 results)