2005 Fiscal Year Annual Research Report
高閉じ込めトカマクプラズマにおける電流ホールの自己形成に関する研究
Project/Area Number |
15340203
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小関 隆久 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合開発部門, 研究主席 (50354577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 隆明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合開発部門, 研究主幹 (70354602)
滝塚 知典 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合開発部門, 研究副主幹 (40354576)
津田 孝 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合開発部門, 研究職 (10354581)
中村 幸治 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合開発部門, 研究主幹 (80354570)
林 伸彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合開発部門, 研究職 (10354573)
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Keywords | 電流ホール / トカマク / プラズマ / 自己形成 / 熱・粒子輸送 / 磁気流体安定性 / シミュレーション |
Research Abstract |
JT-60など大型トカマクプラズマで観測された電流ホールの自己形成に関する機構を解明することを目的とし、本年度は以下の様な研究を行った。1)輸送および電流駆動物理モデルの構築、輸送シミュレーションコードの改良・開発:幾つかの輸送モデルを用いた電流ホールのシミュレーション結果とJT-60実験データとの比較を行ない、電流ホールプラズマ形成の鍵となる内部輸送障壁特性および背景となる物理機構を明らかにした。正磁気シア領域での異常輸送係数が大きく、負磁気シア領域で新古典輸送レベルまで急激に下がることが、電流ホールの分布形成を齎していることを明らかにした。また、内部輸送障壁より内側のエネルギー閉じ込め則について検討し、大きなシャフラノフシフトがあるときには、内部輸送障壁より内側のにおける規格化ポロイダルベータは飽和し、これがMHD平衡限界と一致することを示した。2)プラズマ流による電流ホール物理モデルの構築:電流ホール形成過程において現れる負磁気シアのダブルテアリングモードの影響について検討した。電流ホール形成初期の負磁気シアでは、接近した二つの有理面を持ち、ダブルテアリングモードが不安定となる。しかし、ダブルテアリングモードは、二つの有理面間における電流分布を平坦化するが、それより内側の中心付近の電流分布には大きな影響を与えず、電流ホール形成は可能であるこを示した。3)電流ホールプラズマの磁気流体安定性特性の解明:自律性の強い電流ホールプラズマの磁気流体特性を明らかにするには、輸送と矛盾無い安定性解析が必要である。そこで、輸送コードTOPICSと線形磁気流体安定性コードの結合モデルを開発し、JT-60Uで巨視的不安定性が現れた電流ホールプラズマを、結合モデルによって良く再現することを示した。4)研究調査および成果発表:得られた研究成果は、ヨーロッパ物理学会(EPS)、IAEA主催Hモード・ワークショップ、日米JIFTワークショップ「核融合プラズマの多階層物理の統合化モデル」に3件、アジアプラズマ核融合学会、IEA大型トカマク・ワークショップ等で発表し、電流ホール形成における自己組織化などの実験および理論シミュレーション研究について議論・調査した。
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