2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊丹 俊夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40113518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 匡人 学習院大学, 理学部, 助教授 (40337902)
水野 章敏 学習院大学, 理学部, 助手 (10348500)
|
Keywords | 液体金属 / 共晶合金 / 濃度揺らぎ / 過冷却 |
Research Abstract |
本研究者は世界で始めて共晶合金系の均一液相に巨大な濃度揺らぎ発生していることを見出している。この揺らぎが多様な溶液系で存在していることを検証すること、および、この揺らぎ構造の微視的な解析を微視的構造解析手段を駆使して実施することが本研究計画の主要な目的である。さらに、ガラス形成は共晶点近傍で容易であるというこれまでの常識に異議を唱え、この固相を反映した濃度揺らぎの存在は共晶点組成において均一液相の過冷却能を著しく低下させると本研究者は主張している。この主張の検証により、「共晶組成においてガラス形成能が小さい」という人類の貴重な知見を新たに獲得することも本研究計画の目的である。本年度は、きわめて深い共晶を示す貴金属(AuおよびAg)-Ge系、貴金属-Si系共晶合金液体について、電気抵抗挙動から評価される濃度揺らぎの体積分率の出現傾向を経験的に整理し、論文投稿している。さらに、この巨大に発生する濃度揺らぎの実像の解明のため、Au-Si系に対するEXAFS実験とX線散乱実験をSpring-8において2004年5月および12月にそれぞれ実施した。揺らぎの存在の証拠となる結果を得ていて、解析を現在進めている。また計算機による大型分子動力学シミュレーションの実施のため、ソースプログラムのインストールなどを開始している。共晶組成においるガラス形成能の把握のため、浮遊実験装置による無容器均質核生成実験の準備を進めている。さらに同一系に複数の共晶点を持つCd-Sb、Zn-SbおよびBi-Te系の電気抵抗測定を実施し、いずれの系のいずれの共晶点においても均一液相中に揺らぎの発達が存在することを明らかにした。さらにこの揺らぎの存在の機能化実験を計画中である。
|
Research Products
(6 results)