2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350020
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
海野 雅史 群馬大学, 工学部, 助教授 (20251126)
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Keywords | シロキサン / 無溶媒反応 / グリーンケミストリー / 高効率反応 / シラノール / 超分子 / シルセスキオキサン / 脱水縮合 |
Research Abstract |
初年度は主に脱水剤と反応条件の検討を行い、脱水剤としてはp-トルエンスルホン酸が最も良い結果を与えること、水吸収タイプの反応剤では反応が進行しないこと、原料のシラノールによっては触媒を必要とせず、水と粉砕震盪することで脱水反応が進行することを見いだした。 本年度はこれに引き続いて研究を行い、以下のような新規知見を得た。 1)イソプロピルフェニルシランジオール(i-PrPhSi(OH)_2)を1当量のp-トルエンスルホン酸と無溶媒で粉砕混合することで、シクロトリシロキサン(i-PrPhSiO)_3を76%(シス、トランス体66%、シス、シス体10%)という良好な収率で得た。同様の反応を溶液状態で行うと、環員数の多いシクロテトラシロキサンのみが生成する。したがって、シクロトリシロキサンを得るためには、反応条件や置換基の検討が必要であったが、この方法により、簡便、かつ高収率で目的物を得ることができるようになった。 2)t-ブチルフェニルシランジオールを原料とし、上記と同様の反応を行ったところ、ジシロキサンジオール(t-BuPhSi(OH)O)_2を主生成物として得た。これまで、不完全に縮合したシラノールを得るためには反応条件の検討が必要であったが、この方法を用いることで、容易に合成することが可能となった。 3)これまでは、反応剤としてp-トルエンスルホン酸が必要であったが、シクロテトラシロキサンテトラオール(i-PrSi(OH)O)_4とイソプロピルフェニルジクロロシランを混合し、無溶媒で粉砕混合することで、目的とする三環式のラダーシロキサンを得ることができた。
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Research Products
(4 results)