2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350026
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
水野 一彦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10109879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前多 肇 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (40295720)
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Keywords | 微小空間 / マイクロリアクター / フローシステム / 分子錯体 / 分子内光環化付加反応 / 不斉光反応 / トリキナン / 不斉アリル化 |
Research Abstract |
マイクロリアクターなどの微小空間ならびに3分子で形成される分子錯体を微小な反応場として利用する不斉光反応および新規光化学反応の開発を目的として研究を行ない、以下の成果を得た。 (1)ポリ(ジメチルシロキサン)およびパイレックスガラスで作成したマイクロメートルオーダーの流路をもつマイクロリアクターを用いてフローシステムで2位にオキサアルケニル基を導入した1-シアノナフタレン誘導体(1)の分子内光環化付加反応を行ない、従来のバルクの光反応容器内の反応と比較検討した。その結果、マイククロリアクターを用いることにより、流路の奥行きが小さいために光吸収の効率が上がり見かけの反応速度が向上すること、およびフローシステムにより二次反応の進行が抑制できることが分かった。 (2)化合物1の光反応をバッチの反応容器で10時間以上行なうとナフタレン環の2,4位での分子内光環化付加反応が進行し、トリキナン骨格をもつ5環系化合物が高収率で生成することを見いだした。一方、1-シアノナフタレンの4位にオキサアルケニル基を導入した化合物の光反応では双性イオン中間体を経てスピロ環骨格をもつ新規化合物が生成することが分かった。 (3)電子不足アルケンのアリルシラン類を用いる不斉アリル化反応について検討した結果、不斉炭素をもつカルボン酸を添加することにより反応がエナンチオ選択的に進行し、最大3.4%eeでアリル化反応が進行することを見いだした。エナンチオ選択性は光増感剤-電子不足アルケン-アリルシラン類の三成分系の分子錯体へのプロトン化の段階において発現しているものと推定した。
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Research Products
(8 results)