2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350034
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (80214401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊治 奈良女子大学, 理学部, 教授 (60110805)
松岡 由貴 奈良女子大学, 理学部, 助手 (20324957)
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Keywords | ジイミン白金錯体 / ベイポクロミズム / 結晶構造 / 発光性金属錯体 / ビピリジン誘導体 / 発光スペクトル / X線構造解析 / 白金間相互作用 |
Research Abstract |
1)配列制御置換基を有するビピリジン白金単核錯体の環境応答性.ジイミン白金錯体を基盤として、特定の分子により適合する空孔やチャネル、あるいは錯体間の相互作用をもつナノ構造体を形成しうるように、配位子のジイミン類にカルボキシル基や長鎖アルキル基を導入した白金錯体、[PtX_2(R_2bpy)](X=Cl^-,CN^-,R=(CH_2)_nCH_3[n=6-10],COOH)を合成した。白金錯体の発光のクロミズム現象を調べた結果、長鎖アルキル基を有する系では、希薄溶液においても濃度に依存して著しく発光変化することが見出された。また、カルボキシル基を有する系では、結晶状態においてpHに依存した著しい色変化が見出された。単結晶X線構造解析により配列構造と発光変化の関係を構造化学的に考察した。 2)ベイポクロミズムを示す白金複核錯体の機構解明.ベイポクロミズムが見出されている白金複核錯体(syn-[Pt_2(bpy)_2(Pyt)_2](Pf_6)_2,pyt=pyridine-2-thiolate ion)については、機構解明のために置換基を導入やアニオンの異なる系を合成した。単結晶X線解析により配列構造を明らかにし、ベイポクロミズムを発現するには、複核錯体間の相互作用が可能なhead-to-head型の配置とベイパーが容易に出入りできるチャネル構造の形成が重要であることが明白となった。また、白金錯体発色光変化に伴ってどのような構造変化をしているかを明らかにするために、粉末X線回折と熱分析の同時測定を行い、ベイパーの出入りによる可逆的な構造変化を明らかにした。
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Research Products
(3 results)