2003 Fiscal Year Annual Research Report
キャピラリー電気泳動流動反応器による生体分子コンプレックスの動的挙動解析法の開発
Project/Area Number |
15350039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星野 仁 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (20124620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 透 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (30361166)
齋藤 伸吾 北見工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60343018)
壹岐 伸彦 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (50282108)
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Keywords | キャピラリー電気泳動流動反応器 / 抗原-抗体 / キャピラリーゾーン電気泳動分離 / 解離反応速度解析 |
Research Abstract |
生体分子コンプレックス系のキャピラリー電気泳動流動反応器(CER)確立の端緒として,ハプテン-抗体系に着目した.抗原-抗体系の解離反応速度解析にCERを適用する上で,その解離反応速度定数が適度に小さいことが条件の一つとなる.強心配糖体の一種であるジゴキシン類縁体と抗ジゴキシンモノクローナル抗体の抗原-抗体系に関して,活性炭を用いる一種の置換反応による方法でその抗原-抗体複合体の解離反応速度に関する報告例があることから,これをモデル系として研究を開始した. CER法の確立に先んじて,ジゴキシン-抗ジゴキシン抗体系のCE分離条件の検討を行った.フューズドシリカキャピラリーチューブによるキャピラリーゾーン電気泳動(CZE)モードでの分離を試みたが,抗原-抗体複合体とフリーの抗体の移動度がほぼ等しく,これらの相互分離が困難であることがわかった.ついで,ジゴキシンの糖鎖部分を酸化開裂しジカルボキシル化して,二価アニオンとすることで,抗原-抗体複合体とフリーの抗体の相互分離を計ったが,これもあまり効果がなかった.これらの原因は,抗体自体の移動度(見かけの電荷)が小さいためであり,故に,この抗体を例えばフルオレセインイソチオシアネートなどアニオン性の官能基で多点修飾し,多価アニオンとしてCZE分離することの有効性が示唆された. また,プロテインA-lgG複合体系やDNA-エチジウムブロマイド複合体系についても同様の検討を行った.
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