2004 Fiscal Year Annual Research Report
キャピラリー電気泳動流動反応器による生体分子コンプレックスの動的挙動解析法の開発
Project/Area Number |
15350039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 透 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (30361166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壹岐 伸彦 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (50282108)
齋藤 伸吾 北見工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60343018)
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Keywords | Microchi Caillary Eledrohoretic Reactor / μCER / 金属錯体 / 解離反応速度論解析法 / ポリアミノカルボン酸 / Quin-2 / Ce(III)錯体 / ハイスループット |
Research Abstract |
金属錯体の解離反応速度論解析法の新しい手法としてMicrochip Capillary Electrophoretic Reactor(μCER)を開発することに成功した.ポリアミノカルボン酸の一種であるQuin-2を配位子として選択し,そのCe(III)錯体(CeL^-)の解離反応速度論解析を行った.1,3-diaminobene zene(DB),および,anthraquinone-b-sulfate(AS)を,それぞれ,内標準物質,外標準物質として用いた.CeL^-とDBを含むサンプルと,ASとDBを含むサンプルについて,泳動時間の異なるMCEエレクトロフェログラムを各々取得し,DBのピーク高さ用いてCeL^-およびASのピーク高さを規格化しサンプル注入量の補正を行った.規格化したCeL^-のピーク高さに対する,同じく規格化したASのピーク高さの比からCeL^-の残存率を見積もった.次いで,泳動時間(反応時間)を変えて取得したエレクトロフェログラムの各々に同様の操作を行い,CeL^-の残存率と泳動時間の関係をプロットし,これを一次反応の解離反応(CeL→Ce+L)として解析して,CeL^-の自己解離反応速度定数(K_d)として,6.22×10^<-3>s^<-1>を得ることに成功した.CERを用いて同様の解析を行ったところ,極めてよい一致を示した.通常,CEの分離時間は数分〜数十分であるのに対して,マイクロチップCEは数秒〜数十秒と分離時間が短いため,μCERを用いることでCERでは観測できない,より早い反応系の解離反応速度論解析が可能である.また,μCERでは,分離チャンネル全長の時間分解イメージが取得できるため,一回のCE実験を行うだけで泳動時間の異なるエレクトロフェログラムの取得が可能である.データ取得,解析のハイスループット化もμCERの特徴である.
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Research Products
(1 results)