2004 Fiscal Year Annual Research Report
フロー型レドックスシステムによる高反応活性炭素種の創生と逐次利用
Project/Area Number |
15350056
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅 誠治 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50291430)
|
Keywords | カチオンフロー法 / 炭素カチオン / レドックスシステム / 酸化 / 還元 / 炭素ラジカル / アルコキカルベニウムイオン / アジルイミニウムイオン |
Research Abstract |
前年度までに、構築したフロー型の電解セルを中心とする「フロー型レッドックスシステム」に改良を加え、より効率的なシステムへと展開するとともに、これを用いてさまざまな反応を試みた。このシステムでは、生成した活性種をフローラインで利用することが可能であるため、短寿命の不安定な化学種を取り扱うことが可能であり、これが本法の最大の利点である。とくに、本年度は陽極と陰極を同時に用いた新しいレドックス反応について重点的に検討した。具体的には、1)炭素カチオンをレドックス反応によって還元することで発生する炭素ラジカルを用いた反応の開発、2)陽極で炭素カチオンを陰極で炭素アニオン(あるいは等価体)を発生させて直接炭素-炭素結合を行う方法論について実験を行った。1)の成果としては、前年度までに確立したカチオンフロー法により発生させたアルコキシカルベニウムイオンやアシルイミニウムイオンなどの炭素カチオンを陰極側に直接導入して還元することで、炭素ラジカル種へと変換し、これがホモカップリングした生成物を効率よく得ることに成功した。2)では、陽極でカチオンフロー法により上記と同様に発生させた炭素カチオンと、同時に陰極でトリメチルクロロシラン存在下シンナミルクロリド誘導体を還元することで発生させたシンナミクシラン誘導体を直接作用させる反応について検討した。この際、陰極で発生するクロリドイオンが反応を阻害したため、これを回避するために反応系中に酸の添加が必要であったが、炭素カチオンとシンナミルクロリド誘導体を直接反応させることに成功した。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
[Journal Article] "Cation Pool"Initiated Controlled/Living Polymerization Using Microsystems.2004
Author(s)
Nagaki, A., Kawamura, K., Suga, S., Ando, T., Sawamoto, M., Yoshida, J.
-
Journal Title
J.Am.Chem.Soc. 126
Pages: 14338-14339
-
-