2005 Fiscal Year Annual Research Report
フロー型レドックスシステムによる高反応活生炭素種の創生と逐次利用
Project/Area Number |
15350056
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菅 誠治 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50291430)
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Keywords | レドックスシステム / 反応活性炭素種 / フロー法 / カチオンプール法 / カチオンフロー法 / 電解セル / 酸化還元反応 / カルバメート |
Research Abstract |
前年度までに当研究室で見出したカチオンプール法をフロー法へと展開するための「フロー型レドックスシステム」を独自に開発した。このシステムの中核はプロトタイプのフロー型電解セルであり、-78度の冷媒に浸すことで、低温における電子移動反応を効率よく行うことができる。本年度は、昨年までに達成した、陽極と陰極を同時に用いた新しいレドックス反応をさらに検討するとともに、このシステムを利用することで、電気化学的な酸化還元反応を支持電解質なしで行うことを中心に研究を行った。一般に、電気化学的な反応では、溶液の導電性を高め、また、発生したイオン性の化学種対アニオンを提供するために、支持電解質が用いられる。有機化合物に対して酸化還元を行う際には主として有機溶媒が用いられるが、この際、溶解性の問題から有機塩が用いられることが多い。逆に、生成物の分離・精製の際にはこれがしばしば大きな問題となる。具体的には、指示電解質なしでカルバメートや芳香族化合物をメタノール中で電気化学的に酸化することで、対応する酸化物(メトキシ化合物)が収率よく生成することがわかった。反応は、これまでに開発した「フロー型レドックスシステム」を用い、メタノールに溶解させた基質を通電しながら、陽極室から陰極室へと連続的に流通させることで行った。このシステムでは、陽極で基質が酸化反応により対応する炭素カチオン種へと変換されるとともに、プロトンが脱離する。生じた炭素カチオンはすばやく、溶媒であるメタノールに捕捉され、メトキシ体へと変換されると同時に、メタノール由来のプロトンが生じる。これらの、プロトンがエレクトロンキャリアーになる。陽極からメトシキ体およびプロトンが陰極へと移動し、プロトンが還元されることで反応が完結しているものと考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Control of Extremely Fast Competitive Consecutive Reactions Using Micromixing. Selective Friedel-Crafts Aminoalkylation.2005
Author(s)
Nagaki, A., Togai, M., Suga, S., Aoki, N., Mae, K., Yoshida, J.
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc. 127
Pages: 11666-11675