2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350059
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金政 修司 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (20038590)
|
Keywords | 触媒的二重活性化手法 / エナンチオマー合成手法 / ニッケル(II)アクア錯体 / 2,2,6,6-テトラメチルピペリジン / Michael負荷反応 / エナンチオ選択性 / 活性メチレン化合物 |
Research Abstract |
申請者のグループが最近独自に開発した耐久性キラルルイス酸触媒DBFOX/Ph・M^<2+>の特徴を活かして、従来例を見ない「触媒的二重活性化型不斉反応」の開発に成功した。すなわち、共に触媒量のキラルルイス酸触媒とアミン触媒を組み合わせて使用し、それぞれが、求電子剤と求核剤前駆体を別途に活性化する新しいエナンチオマー合成手法である。今年度の成果は以下のようにまとめられる。 ・活性メチレン基をもつ求核剤前駆体としてマロン酸ジエチル、マロノニトリル、シアノアセタート、ニトロアセタート等を用い、環状の活性メチレン化合物としてメルドラム酸、ジメドン、テトロン酸、バルビツール酸等を用いた。 ・求電子剤として2-オキサゾリジノン、2-イミダゾリジノン、3,5-ジメチルピラゾールの不飽和イミドを用いた。 ・キラルルイス酸触媒としてはDBPOX/Phのニッケル(II)アクア錯体触媒などを用いた。 ・アミン触媒としては、立体的に嵩高くて高い塩基性をもつトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、DBUなどのアミン触媒を用いた。 ・上記の求核剤前駆体と求電子剤との無触媒下でのバックグランド反応を調べた結果、実質的な反応速度での反応の進行は観察されなかった。 ・さらに、キラルルイス酸触媒あるいはアミン触媒を単独で用いた際の反応加速とエナンチオ選択性を調べた結果、これもスムーズな反応進行は認められなかった。 ・両触媒を併用した時には顕著な反応加速が見られ、二重活性化条件がスムーズな反応の進行に必須であることを明らかにした。さらに、この反応条件下で高いエナンチオ選択性が観察されることを見い出した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] K.Itoh, S.Kanemasa: "A new method for enol lactone synthesis by a Michael addition/cyclization sequence"Tetrahedron Lett.. 44・9. 1799-1802 (2003)
-
[Publications] K.Itoh, Y.Oderaotoshi, S.Kanemasa: "Enantioselective Michael addition reactions of malononitrile catalyzed by chiral Lewis acid and achiral Lewis Base catalysts"Tetrahedron Asymm.. 14・6. 635-639 (2003)
-
[Publications] S.Kanemasa: "Catalyzed Enantioselective Conjugate Addition Reactions of Strongly Coordinating Nucleophiles"J.Synth.Org.Chem.Jpn.. 61・10. 1073-1080 (2003)
-
[Publications] S.Kanemasa: "Catalyzed Asymmetric Dipolar Cycloaddition"Farumashia. 39・7. 678-679 (2003)
-
[Publications] M.Shirahase, S.Kanemasa, Y.Oderaotoshi: "Chiral DBFOX/Ph Complex-Catalyzed Enantioselective Nitrone Cycloadditions to α,β-Unsaturated Aldehydes"Org.Lett.. 6・x. 675-678 (2003)