2004 Fiscal Year Annual Research Report
結晶相重合による構造規制された有機高分子/金属酸化物クラスター複合体の創製
Project/Area Number |
15350064
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小西 克明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (80234798)
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Keywords | 有機 / 無機ハイブリッド / 固相重合 / ホスト-ゲスト相互作用 / ヘテロポリ酸 / カリックスアレーン |
Research Abstract |
無機金属種を含有する複合型有機材料は、無機金属種固有の特性と、有機物の構造的柔軟性を合わせ持つため、近年大きな関心を集めている。我々は最近、前周期金属酸化物クラスターであるヘテロポリ酸アニオンを、対イオンの包接を介してカリックス[4]アレンと複合化させることによって得られるイオン性結晶が、ポーラス構造を初めとする興味深い固体高次構造を取ることを見いだした。初年度の研究において、この構造に関してより詳細な検討を行うとともに、そのゲスト吸着特性を調べたところ、通常のバルクのヘテロポリ酸とは異なり、水よりもメタノール、エタノールなどのアルコール類に対して高い親和性を示すことを見いだした。しかしながら、この高次の構造はユニット間のイオン結合とvan der waals力で保持されているため、溶液中では構造を維持できないなど、加工応用を考える上で難がある。そこで本年度は、固体中での高次構造をロックすることを目指して、カリックス[4]アレンに光固相重合性をもつ桂皮酸ユニットを導入し、ヘテロポリ酸との複合固体中で光架橋重合を行うことにより、有機ポリマー中に無機金属種を内包したハイブリッド物質の作製を行った。具体的には、upper rim側に2つの桂皮酸ユニットをアミド結合を介して導入したカリックス[4]アレンモノマーとNa_3PW_<12>O_<40>から作製した複合結晶を、シクロヘキサン中で超音波処理により分散させ、そこに300nm以上の紫外可視光を照射した。その結果、光架橋によってポリマー化が進行し光照射前の結晶が可溶であるアセトンに不溶な固体が得られた。さらにアセトン洗浄後に得られた不溶固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、カリックスアレンとポリ酸の組成比は光照射前とほとんど変化せず、ポリマーマトリックス内にクラスターイオンが定量的に埋め込まれていることがわかった。
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Research Products
(1 results)