2005 Fiscal Year Annual Research Report
らせん状超分子を用いる周期一致鋳型重合と相補的超分子場の構築
Project/Area Number |
15350070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤内 謙光 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30346184)
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Keywords | 鋳型重合 / らせん状超分子 / キラリティ / 単結晶X線構造解析 / キラル結晶 / 相補対 / ステロイド / アルカロイド |
Research Abstract |
これまで我々の研究グループにおいて、らせん状超分子によるモノマー周期の制御に関する研究を行ってきた。今回、高分子鎖とモノマー分子集合体の周期性に注目し、核酸のA-TやG-Cのように、相補対を正確に決められる鋳型重合を合成高分子系で実現し、長さ・形・キラリティなどの立体情報を複製転写させ、周期一致鋳型重合を行うこと目的とした。 以下に昨年に引き続き得られた結果を列挙する。 1.昨年に引き続き、モノマーとして共役ジエン・トリエンを、ホストとしてナフチル基などをもつ芳香族誘導体、アルキル基をもつ脂肪族誘導体などを用いた。例えば、カルボン酸とアミンとの有機塩を作り、溶液からの濃縮や再沈殿により複合体を形成させた。 2.0.5nm周期の鋳型重合を芳香族有機塩の系で、0.75nm周期の鋳型重合をステロイドなどの脂肪族の系で行った。有機塩からなるモノマー超分子結晶の鋳型重合を熱や光で行い、生成物を分離して、立体規則性をNMRで調べた。立体情報の複製転写が高分子鎖の立体構造に反映されるかを調べた。 3.これまで得られた結果を元に、分子設計を行った。それにより、様々な目的に適ったらせん状鋳型を作成し、重合実験を行った。 4.さらに、らせん状超分子を形成するステロイドやアルカロイド、さらにはそれらの金属錯体を用いることによって、水素結合様式を明らかにし、複合化過程における階層構造を決定した。さらに、分子の親水部と疎水部の領域の変化が、集合体に現れる影響を詳細に解析した。 5.最後に本研究の総括を行なった。
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Research Products
(9 results)