2004 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体の組織化による異方的イオン・物質輸送材料の構築
Project/Area Number |
15350077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 隆史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70214377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉尾 正史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60345098)
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Keywords | イオン性液体 / 液晶 / 超分子 / 自己組織化 / ナノ構造 / 異方性 / イオン輸送 / 物質輸送 |
Research Abstract |
イオン活性機能を有する有機材料として、近年、イオン性液体が注目を集めている。本研究では、イオン性液体の構成部位となっているイミダゾリウム塩などのイオン活性部位を、液晶の自己組織化能を利用して多様な秩序をもたせて配列させ、異方的にイオン・物質を輸送する新しい機能性材料を開発することを目的とした。 アクリル重合基をもつ扇状構造のイミダゾリウムイオン性液体モノマーを合成した。液晶性発現には、イオン性部位(イミダゾリウム部位)と非イオン性部位(芳香族アルキル部位)のナノ相分離形成を活用した。この化合物は20〜50℃までヘキサゴナルカラムナー液晶性を示した。液晶状態においてせん断を印加することにより、カラム構造をせん断方向に均一ホモジニアス配向させることに成功した。また、シランカップリング剤で表面処理したガラス基板上では、カラムが自発的に均一垂直配向することを見出した.液晶状態のモノマーに紫外光照射することにより重合を行なった。その結果、カラムの均一な配向秩序を維持した透明で機械的に安定な高分子フィルムが得られた。これらの配向フィルムの異方的なイオン伝導度を温度可変交流インピーダンス法により測定した。カラム軸に平行な方向のイオン伝導度は垂直な方向のイオン伝導度よりも高く、100℃において約1500倍の異方性値が得られた。これはカラムの軸に沿ってイミダゾリウムイオン性部位からなる一次元的なイオン伝導パスが形成されているためと考えられる。
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Research Products
(7 results)