2004 Fiscal Year Annual Research Report
螺旋自己組織化能を有する多機能性パイ電子系オリゴマーの設計と創出
Project/Area Number |
15350080
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大北 雅一 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60211786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 勝裕 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00089096)
小野 克彦 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20335079)
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Keywords | 螺旋 / 自己組織化 / オリゴマー / π電子系化合物 / 動的構造変化 / 含窒素複素環 / 分子プログラミング / 刺激応答性 |
Research Abstract |
平成16年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)交互ピリジン-オキサジアゾールオリゴマーの合成:2-ピリジンカルボン酸および2,6-ピリジンジカルボン酸から導かれるエステルおよびヒドラジドをビルディングブロックとして、種々の長さの無置換交互オリゴマーの合成を達成した。三量体、五量体、七量体の生成をすでに確認しており、現在、それらのX線結晶構造解析に適した単結晶の成長と、螺旋構造を与える九量体以上のオリゴマーの合成条件を検討している。 (2)交互ピリジン-ピラジノチオフェンオリゴマーの合成:昨年度までに調製を達成していた鍵化合物であるピラジノチオフェンの交互ストランドへの変換条件を詳細に検討した。当初、ジブロモ体とビニルスズ化合物とのStilleカップリングとそれに続くPottsのピリジン環構築法を検討したが、良好な結果が得られなかった。そこで、ジブロモピラジノチオフェンと2,6-ジスタニルピリジンとのStilleカップリングを用いた直接的な方法に合成経路を変更し、検討を続けている。なお、2-ピリジルスズ化合物とのStilleカップリングを用いて無置換三量体の合成を行ない、X線結晶構造解析によって、固相で望むトランソイドコンホーメーションをとっていることを確認した。 (3)交互ピリジン-ベンゾチアジアゾールオリゴマーの合成:昨年度までに、ジブロモベンゾチアジアゾール合成中間体の大量合成、ビニルスズ化合物とのStilleカップリングと加水分解によるジケトンへの変換、などを確認していた。今年度は、継続してPottsのピリジン環構築法を活用した合成を検討したが、ピリジン環構築段階が上手く進行しないため、このモチーフの検討を打ち切ることとした。 (4)交互ピリジン-チオフェンオリゴマーの合成:熊田カップリングを利用して種々の長さの無置換交互オリゴマーの合成を達成した。三量体、七量体、十一量体、の生成を確認した。さらに、三量体に関して、X線結晶構造解析によって、固相でのコンホーメーション特性を検討したところ、予期せぬことにシソイド構造を優先していることを見出した。従って、より長いストランドでは自発的螺旋形成が期待される。現在、七量体および十一量体のX線結晶構造解析に適した単結晶の成長条件を模索中である。
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Research Products
(6 results)