2004 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノロッドの局在プラズモンを利用する分光センシング
Project/Area Number |
15350085
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 淳 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30136551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新留 康郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50264081)
秋山 毅 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20304751)
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Keywords | 金ナノロッド / 局在プラズモン / プラズモンバンド / 表面増強ラマン / センサー |
Research Abstract |
三角錐形の金・銀ナノ粒子が、平面薄膜に比べて2桁にも達する驚異的な局所プラズモン電場を発生することが2年前理論的に示された。そこで本研究では、申請者らが開発した金ナノロッドの新規合成技術の改善ならびに金ナノロッドの透明基板上への固定化について検討すると共に、誘電率変化による金ナノロッドの吸収スペクトルシフトを原理とする新規LPRセンシング技術の有用性について検証することを目的として研究を遂行した。主な成果は以下の通りである。 (1)表面プラズモン共鳴(SPR)センサ ガラス基板にポリアリルアミンとポリスチレンスルホン酸を静電吸着させた基板を金ナノロッド溶液に浸し、金ナノロッドを吸着させた。更にソフトなポリカチオンであるポリジアリルアミン塩酸塩で金ナノロッドを覆うことにより、金ナノロッドの固定に成功した。この基板を種々の溶媒に浸漬し、長軸方向のプラズモンバンドのシフトと屈折率との関係を解析した。透過方式のSPRセンサとして作動することを明らかにした。 (2)表面増強ラマン散乱(SERS)センサ 水とヘキサンの液/液界面を利用して、金ナノロッドの単粒子膜を作製した。球状金ナノ粒子についても同様の操作を行い、色素のSERSスペクトル強度を比較検討した。その結果、継積比の大きい金ナノロッドが強いSERS信号を与えることを見出した。 (3)光電流素子 塩析法や上記の液/液界面法を用いて金ナノ粒子集合体を作製した。光活性色素を自己集合法で吸着させ、光電変換素子を作製した。これに光を照射し、光電流を検出した。表面プラズモンによる光電流の増強を試み、いくつかのナノ構造体で数倍〜数十倍の光電流信号の増大を実現した。
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Research Products
(11 results)