2003 Fiscal Year Annual Research Report
能動防御材料による工業製品の信頼性と耐久性の向上研究
Project/Area Number |
15350094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武田 邦彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80255645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 剛 (財)産業創造研究所, 電子力化学工学センター, 研究員
棚橋 満 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70314036)
藤澤 敏治 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (20115629)
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Keywords | 能動防御 / 信頼性 / 耐久性 / ポリカーボネート / ポリフェニレンエーテル / ポリブチレンテレフタレート / ビスフェノールA / 微小クレーズ |
Research Abstract |
当初の計画通り、能動防御材料による工業製品の信頼性と耐久性の向上を目指し、修復機構の探索的実験と修復エネルギーの理論的検討を中心に研究を実施した。 1.劣化した材料の修復の完全性 ポリカーボネート(PC)の加水分解劣化による分子量、引張強度の低下は130℃、0.01MPaの修復処理により、それぞれ劣化前の94%、98%にまで修復可能であることを明らかにした。 2.修復エネルギー系の理論研究と新規エネルギー源による連続的修復反応系 ポリフェニレンエーテル(PE)の修復反応速度を分子量の測定結果及びPPE中の酸素透過係数の観点から整理した結果、修復反応は酸素の拡散律速で進行することを明らかにした。 また、非哺乳類におけるDNA上のチミンダイマー(CPD)の光修復機構を参考にして、修復エネルギーに関する情報収集を行った。得られた知見を基に、熱エネルギーを利用した分子末端基の制御を含むPCの修復系の構築に着手した。 3.複数の材料を組み合わせて作る集合体の一部の損傷を修復する能動防御系 研究の第一歩として、劣化部位の選択的修復現象が確認されているPCに対して購入した卓上小型プローブ顕微鏡(Nanopics 2100)を用い、100nm前後の微小クレーズの生成及び修復の観測等の解析に着手した。 4.欠陥を別の構造に変えて修復することを特徴とする能動防御材料 ポリブチレンテレフタレート(PBT)の高温熱劣化に対し、エステル化反応を利用した修復系の構築を試みた。その結果、ベンゼン環骨格を有するジオール化合物を用いることで欠陥を別の構造に変えて修復し得ることが判った。 5.材料からの毒物発生を能動防御反応によって環境への飛散を防御する系 PCの高温熱分解挙動の知見を基に、分子鎖切断のコンピューターシミュレーション解析等による低温でのビスフェノールA(BP-A)の生成及び飛散メカニズムの解析を行った。
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Research Products
(1 results)