2003 Fiscal Year Annual Research Report
溶液高分解能核磁気共鳴法と固体法の融合による膜内アンテナタンパク質の構造機能解明
Project/Area Number |
15350096
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野澤 庸則 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10006322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70271864)
大友 征宇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10213612)
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Keywords | 膜タンパク質 / 構造解析 / 光合成膜 / アンテナタンパク質 / 光捕集系錯体1 / 配位構造 / バクテリオクロロフィル / 多次元NMR |
Research Abstract |
本研究の目的は溶液高分解能核磁気共鳴法と固体法の融合により、膜タンパク質の構造解析手法を確立し、生体膜内にある膜タンパク質の活性発現の構造機構を解明することにある。このための研究対象として光合成膜内アンテナタンパク質LH1を取り上げた。この膜内アンテナタンパク質LH1は活性中心としてバクテリオクロロフィル補因子を有する。機能解明に重要な補因子まわりの構造に注目して、特に補因子自身の相互作用、ならびに補因子とタンパク質の相互作用解明に焦点を当てた研究を行った。ここで問題にするのは、この色素の配位構造とタンパク質との相互作用構造である。バクテリオクロロフィルa自身は、メタノール、アセトンのような極性有機溶媒中では中心のMgの上下から溶媒が配位した6配位状態をとりモノマーで存在すると780nm近傍に吸収極大を示すことが知られている。溶媒の極性が下がり5配位状態になると分子が会合し、ダイマーあるいはそれ以上の会合体を形成すると、極大吸収は800nm以上へと長波長シフトする。しかし、この相互作用だけでは、せいぜい830nm前後までで、870nmという長波長シフトの構造的、電子的な基礎は確立されていない。そこで、まず、このサブユニット(B820と呼ぶ)を再構成により組み上げ、溶液高分解能核磁気共鳴法を用いて構造解明を行った。その際、色素バクテリオクロロフィルaを^<13>Cでエンリッチし、さらに、周囲のペプチドの^1Hを^2Hで置換したものを用いることにより、バクテリオクロロフィルaおよびその周辺の原子核をクローズアップし、さらに、多次元NMRにより、相互作用情報を得て、詳細な構造解析を行った。その結果、色素の相互作用配置、ペプチド残基との相互作用に興味深い知見が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Umetsu, et al.: "Dynamic Exchange Properties of the Antiparallel BChl c Dimers"The Journal of Physical Chemistry B. 107(36). 9876-9882 (2003)
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[Publications] Z.-Y.Wang, et al.: "Puritication and characterization of the polypeptides of core light-harvesting complexes from purple sulfur bacteria"Photosynthesis Research. 78. 133-141 (2003)
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[Publications] Z.-Y.Wang, et al.: "Determination of the B820 Subunit Size of a Bacterial Core LH Complex by Small-Angle Neutron Scattering"Biochemistry. 42(39). 11555-11560 (2003)