2004 Fiscal Year Annual Research Report
溶液高分解能核磁気共鳴法と固体法の融合による膜内アンテナタンパク質の構造機能解明
Project/Area Number |
15350096
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野澤 庸則 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10006322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大友 征宇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10213612)
小林 正幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70271864)
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Keywords | 溶液NMR / 固体高分解能NMR / 光合成アンテナタンパク質 / LH1 / クロロゾームアンテナ / BChla / BChlc / B820 |
Research Abstract |
本研究の目的は溶液高分解能核磁気共鳴法と固体法の融合により、膜タンパク質ならびに色素会合体の構造解析手法を確立し、生体膜内にある膜タンパク質ならびに色素会合体の活性発現の構造・機能を解明することにある。このための研究対象として光合成膜内アンテナタンパク質LH1系とクロロゾームアンテナ系を取り上げた。膜内アンテナタンパク質LH1は活性中心としてバクテリオクロロフィル補因子(BCh1a)を有する。すでに昨年までに機能解明に重要な補因子まわりの構造を選択的同位体置換した試料を用いて溶液NMRにより解析できることを示した。すなわち、LH1のサブユニット(B820と呼ぶ)を再構成により組み上げ、溶液高分解能核磁気共鳴法を用いて構造解明を行った。その際、色素バクテリオクロロフィルaを^<13>Cでエンリッチし、さらに、周囲のペプチドの^1Hを^2Hで置換したものを用いることにより、バクテリオクロロフィルaおよびその周辺の原子核をクローズアップし、さらに、多次元NMRにより、相互作用情報を得て、詳細な構造解析を行った。その結果、色素の相互作用配置、ペプチド残基との相互作用に興味深い知見が得られた。今年度は固体高分解NMRを用いて、B820状態、LH1状態でのNMRの観測に成功し帰属を試みた。それらの結果から、溶液NMRを用いて得た構造と同様な構造を形成していることを示した。膜タンパク質自身の構造については溶液NMRを用いて、クロロホルム・メタノール系で各モノマーについて検討した。その結果α、βそれぞれのモノマーの構造解析に成功し、業績リストの最後にあげた論文として成果を発表した。バクテリオクロロフィルc会合体の構造解析については、これまでの溶液ならびに固体NMRを用いた結果に加え、今回ダイマーの溶液NMRスペクトルの解析から緩和過程とシグナル強度に関して重要な知見を得た。
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Research Products
(3 results)