2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 一郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任教授) (50173216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 雅雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員 (60345155)
池田 修司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員 (80336320)
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Keywords | 人工塩基対 / 人工核酸 / 人工タンパク質 / 複製 / 転写 / 翻訳 |
Research Abstract |
昨年度までに、転写・翻訳において、天然型の塩基対と同程度の選択性と効率を示す人工塩基対の開発に成功した。そこで、本年度は、これらの人工塩基対を用いた応用研究と、また、複製においても高い選択性と効率を示す人工塩基対の開発研究をそれぞれ進めた。 応用研究では、転写でRNA中に部位特異的に取り込ませることができる人工塩基対に、種々の蛍光色素(FAM.TAMRAなど)を結合させた転写用の基質を化学合成した。そして、これらの蛍光性基質と相補人工塩基を含む鋳型DNAを用いることにより、T7 RNAポリメラーゼの転写系で、RNA中の任意の部位を特異的に蛍光標識できた。この手法を用いて、特定の物質に結合するRNAアプタマーを蛍光標識化することにより、新たな検出システムを開発した。 複製においても機能する人工塩基対の開発は、転写レベルでの人工塩基対の研究をさらに進めることにより、新たな可能性が見出された。これまでに開発されている人工塩基対で、転写で機能するものは、全て塩基対を形成する塩基間で水素結合による相互作用を利用したものであった。しかし、複製においては、Eric Koolらが、水素結合の相互作用を持たない疎水的な人工塩基対が機能することを報告している。もし、転写においても疎水性の人工塩基対が機能すれば、複製・転写・翻訳の全てで機能する人工塩基対のデザインの幅が広がる。そこで、水素結合の相互作用を必要としない人工塩基対にフォーカスして研究を進めたところ、水素結合を必要としない人工塩基の組み合わせでも、転写で相補的に機能するものを見つけた。さらに、その塩基対の様式から、新たな人工塩基対の設計が可能になった。その結果、現在、複製においても非常に選択性の高い人工塩基対が作られつつある。
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Research Products
(7 results)