2004 Fiscal Year Annual Research Report
二核銅活性中心を有する銅タンパク質の機能解明と機能改変
Project/Area Number |
15350105
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊東 忍 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30184659)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘 祥光 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50336757)
|
Keywords | チロシナーゼ / 分子状酸素の活性化 / 二核銅酸素錯体 / フェノールの酸化 / 酸素反応機構 / 銅タンパク質 / ペルオキソ錯体 / オキソ錯体 |
Research Abstract |
[1]アカパンカビ由来のチロシナーゼの精製:我々はこれまでにマッシュルーム由来のチロシナーゼを用いてその機能解明を行ってきた。本年度は、カビ由来のチロシナーゼについても検討するため、アカパンカビを大量培養し、そのチロシナーゼを単離・精製した。今後、培養条件や精製条件等の最適化を行い収率の向上を達成する必要がある。 [2]マッシュルーム・チロシナーゼのカテコラーゼ活性の機構解明:チロシナーゼによるカテコールの酸化反応(カテコラーゼ活性)の機構解明を目的とし、酸素電極法を用いて速度論的に検討を行った。カテコール基質の置換基効果や、速度とpHの相関関係などの結果から、サイドオン型ペルオキソ二核銅(II)活性種によるカテコールの酸化反応は、フェノールの酸素化反応(フェノーラーゼ活性)の場合と同様に、求電子的なイオン反応機構で進行することが明らかになった。 [3]銅(I)錯体による分子状酸素の活性化機構に及ぼす配位子効果の解明:一連のピリジルアルキルアミン系三座配位子を用いて調製した銅(I)錯体の構造や物性、および分子状酸素との反応挙動について詳細に検討した。その結果、各錯体の構造や酸化還元電位、および分子状酸素との反応速度、更には生成する二核銅酸素活性種の構造が配位子のキレート環サイズや置換基の電子的および立体的効果により系統的に変化することを見いだした。得られた成果は酵素反応機構解明に対して重要な知見を提供するものである。
|
Research Products
(7 results)