2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350106
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 東邦大学, 理学部, 助教授 (90231571)
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Keywords | ケージド化合物 / タンパク質の機能 / 光制御 / 成長因子 |
Research Abstract |
任意のタンパク質の機能発現を時期および部位特異的に制御する方法の開発 我々のグループで開発した新しい光分解性保護基であるBmc基を用いてケージドタンパク質を合成し,時期および部位特異的なタンパク質の機能発現の達成を目指して以下の研究を行った。 a)ランダムな化学修飾に基づくケージドタンパク質の開発 タンパク質のリジン残基の側鎖アミノ基と特異的に反応する化合物,Bmc-クロロホルメートを設計合成した。このクロロホルメートがリジン残基のアミノ基と反応してBmc-カルバメートを生成すること,および生成したカルバメートが,紫外光照射によって高い効率で光分解して元のアミノ基を生成することを確かめた。また,この時の光反応効率は,これまで用いられて来た光分解性保護基よりも10倍以上高いことも明らかとなった。現在,いくつかの酵素と上皮成長因子(EGF)の活性を光制御するべく,これらの修飾条件を検討している。 b)in vitroの転写・翻訳系を利用したケージドタンパク質のピンポイント合成 活性部位の任意のアミノ酸を,ピンポイントでケージドアミノ酸に置換したケージドタンパク質の合成法の開発も並行して行った。まず,側鎖のアミノ基を,光分解性保護基であるBmcmoc基で保護したケージドリジンを合成し,4塩基コドンを認識するように改変したtRNAに結合して,アミノアシルtRNAとした。これを用いて,in vitroの翻訳系でストレプトアビジンへの導入を試みたところ,わずかではあるがケージドリジンの導入が観測された。現在,導入効率の向上を図るとともに,チロシンの側鎖のフェノール性ヒドロキシル基を修飾したケージドチロシンの合成と,これのタンパク質への導入も並行して検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Mizuno et al.: "Photo-induced cleavage for the green-to-red conversion of a fluorescent protein"Molecular Cell. 12. 1051-1058 (2003)
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[Publications] A.Z.Suzuki et al.: "Coumarin-4-ylmethoxycarbonyls as phototriggers for alcohols and phenols"Org.Lett.. 5. 4867-4870 (2003)
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[Publications] 古田寿昭: "先端の分析法-理工学からナノ・バイオまで"エヌ・ティー・エス. (2004)