2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350106
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 東邦大学, 理学部, 助教授 (90231571)
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Keywords | ケージド化合物 / タンパク質 / ペプチド / 光制御 / PKC |
Research Abstract |
タンパク質の機能制御を、次の2つの方法で達成することを目指した。まず、タンパク質の機能を直接制御する方法として、細胞外転写翻訳系を利用したケージドタンパク質の合成を試みた。また、間接的に制御する方法として、タンパク質機能を調節する小分子、ここではPKCの機能を阻害するペプチドのケージド化合物合成を試みた。新たに開発したケージドアミノ酸のタンパク質への導入は、4塩基コドン法を用いて行うことにした。そこで、Lys(Bmcmoc)をtRNAに導入する前駆体であるBoc-Lys(Bmcmoc)-OCH_2CNの合成を行い、ストレプトアビジンへの導入を試みた。その結果、Bmcmoc-caged Lysが導入された完全長ストレプトアビジンが導入効率は3%未満と低かったものの生成することを確認した。さらに、Tyr(Bhc)の合成を行いその光分解性を調べた。その結果、φε=970と非常に高い光分解効率を有することが判明した。この化合物のタンパク質への導入効率は検討中である。 PKCは増殖や分化など、さまざまなシグナル伝達に関わっている。生細胞内では刺激時に細胞膜や他の細胞内膜コンパートメントなどの特定の部位へのトランスロケーションが起こる。しかし、トランスロケーションの制御機構や活性化の仕組みは明らかではない。トランスロケーションを光制御できれば、その機構解明の有用なツールとなると考えられる。そこで、rat εPKCのV1-2領域と相同で、そのトランスロケーションを阻害するオクタペプチドのケージド化合物EAVSLK(Bmcmoc)PTを合成した。この化合物に光照射すると、定量的にもとのオクタペプチドを放出すること、およびその効率はφε=435で細胞内で用いるのに十分な光反応性を有することを確認した。
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Research Products
(4 results)