2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350110
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 一弥 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30195979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 裕司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70252575)
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Keywords | キュービック液晶 / 熱容量 / モノオレイン |
Research Abstract |
ANBCとは化学構造が異なるために異なるキュービック相をとると信じられていたACBCに属するACBC(16)について検討を行い,ACBC(18)とは異なるIa3d相をとることを明らかにした.また,BABHにおいても長鎖アルキル基を持つ場合にはIm3m相をとることを見出した.これらは,複数のキュービック相がアルキル鎖長によって選び出されることを示している. 複数のキュービック相を持つANBC系のIm3m相の構造についての実験結果の解析が出版されたので,Ia3d相とIm3m相の構造について,再検討を行った.出版されたモデルは研究代表者のモデルと異なり大変複雑であるが,基本的な特徴は代表者のモデルと一致している.研究代表者のモデルの二通りの記述である,二枚の極小曲面(有限の厚みを持つ)の構造モデルと一枚の極小曲面と棒状集合体からなる構造モデルについてX線回折パターンを計算した.上記の通り,BABH系でもアルキル鎖長により複:数のキュービック相が発現することを見出したので,ANBCとBABHという代表的なキュービック液晶を用い,現在,実験結果と系統的かつ詳細な比較を行っている.比較の結果をまって二つのキュービック相についての実験結果をとりまとめる. 複数のキュービック相をとるリオトロピック系であるモノオレイン-水系について測定を継続中である.複雑な相挙動のため長期の実験が必要であったが,純物質モノオレインの既知の3相がそれぞれ低温において複数の相転移を起こすことを見出すなど,解析に必要になる純物質についての相関係と熱力学データを確立した.ラメラ相が等方性液体へ相転移する直下で,熱容量にめくれ上がりがあることがわかった.実験手順上,キュービック相についての測定はこの後になるが,4月中の測定終了を予定している.
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Research Products
(5 results)