2005 Fiscal Year Annual Research Report
非局在電子系による新規なクロモフォアの開発と会合制御に関する研究
Project/Area Number |
15350116
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中澄 博行 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (00109878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 繁幸 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (40275277)
兵藤 豊 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (40360044)
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Keywords | 機能性色素 / スクアリリウム色素 / 近赤外吸収色素 / 蛍光プローブ / ポルフィリン / 分子内エネルギー移動 / 蛍光寿命 / ジアリール尿素 |
Research Abstract |
分子認識能や色素分子間の会合性を制御した非局在化π電子系機能性色素の開発を目的として、スクアリリウム色素やポルフィリン系色素を合成し、その分子間相互作用に基づく分光特性や蛍光特性を明らかにし、以下の成果が得られている。 1.スクアリリウム色素の芳香環に臭素またはヨウ素を導入し、さらにパラジウム触媒を用いて四角酸骨格を導入できる合成法を見出し、さらに活性メチル基を有する複素環化合物との縮合反応で、スクアリリウム色素を繰り返し単位とするスクアリリウムオリゴマーが合成できることを見出した。このスクアリリウム色素の3〜5量体のオリゴマーは、830〜930nmの近赤外領域で吸収を示すことから、スクアリリウム系色素の新しい近赤外吸収色素の合成法となることがわかった。 2.四つのジアリール尿素骨格を有する亜鉛ポルフィリンを合成し、このポルフィリン誘導体は収斂的に配置されたジアリール尿素骨格の双極子を利用してビオロゲンと会合することがわかった。このポルフィリン系レセプターを可視光で励起することによってビオロゲンへの効率的な電子移動が達成されることを見出した。また、時間分解分光測定から、この光誘起電子移動は会合体形成によって促進されることを明らかにした。 3.インドレニン骨格を有するスクアリリウム色素類を用いた蛍光キャピラリーレーザー誘導蛍光検出法で、この色素とタンパク質との相互作用から5種類のモデルタンパク質を分離検出することに成功し、牛血清アルブミンの5ナノM以下の濃度でも高感度検出できることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)