2004 Fiscal Year Annual Research Report
重合時に非収縮性・膨張性を示すナノ材料の設計と合成システムの構築
Project/Area Number |
15350126
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
遠藤 剛 山形大学, 工学部, 教授 (40016738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 哲男 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50361275)
金澤 昭彦 山形大学, 工学部, 助教授 (80272714)
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Keywords | ナノ材料 / 非収縮性 / 膨張 / 三次元構造 / 体積収縮 |
Research Abstract |
カーボナート構造を持つノルボルネンモノマーの開環メタセシス重合により、カーボナート構造を有するポリノルボルネンが得られたが、本重合は単開環重合であるにも関わらず、一般的な単開環型の開環重合と比較して体積収縮が非常に小さいことが分かった。この体積変化挙動はカーボナート構造の環員数の影響を大きく受けるほか、同じモノマーである場合には、分子量とメタセシス反応により生成する二重結合の幾何異性にも影響されることが明らかとなった。また、これらのモノマーの重合の低体積収縮性ないしは体積膨張性を利用して、種々のモノマーとの共重合を検討したところ、新たに工業的に重要な重合の一つとなりつつあるメタセシス重合においても低体積収縮系を構築することができた。 また、スピロオルトカーボナート構造を側鎖に持つコポリマーのカチオン架橋反応において、コモノマー成分が架橋時の体積変化に大きく影響することを明らかにした。すなわち、酢酸ビニルのような電子供与性コモノマーを用いると組成比に対する体積変化率が大きくなり、比較的スピロオルトカーボナート構造が少ない共重合体でも、架橋時の体積収縮が小さくなることが分かった。これに対して、メタクリル酸メチルやアクリル酸メチルのような電子受容性コモノマーとの共重合体の架橋では、スピロオルトカーボナート構造の増加に伴って体積膨張性を示していくものの、その体積変化挙動は緩やかなものであった。
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Research Products
(10 results)