2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAポリイオンコンプレックス薄膜の電気伝導機構の解明と光電子デバイスへの応用
Project/Area Number |
15350138
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
今井 敏郎 千歳科学技術大学, 光科学部, 助教授 (80184802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雀部 博之 千歳科学技術大学, 光科学部, 教授 (20015126)
小山 珠美 昭和電工(株), 研究開発センター, 主席研究員
安達 千波矢 千歳科学技術大学, 光科学部, 教授 (30283245)
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Keywords | DNA / 導電性 / 有機EL / ポリイオンコンプレックス / Time of Flight |
Research Abstract |
DNAの二重螺旋構造内にはπ電子を多く含む4種類の塩基対が密に重なり合っていることより、電子移動媒体としての有効性が示唆されている。しかしDNAという複雑な構造により、未だ不明な点が多い。本研究ではDNAの電気伝導性を理解するためにDNA脂質複合体であるDNA-CTMA (Cetyltrimethyl ammonium chloride)を用い、キャリア輸送特性の違う有機半導体層と積層させ、導電性の評価を行った。また、DNA-CTMA薄膜をDH (double hetero)型有機LEDのホール輸送層(HTL)、発光層(EML)、電子輸送層(ETL)に用いEL発光特性を評価した。DNA-CTMA単層のJ-V特性は13Vの印加電圧において最大電流密度J_<max>〜4A/cm^2の注入電流が観測されDNAに導電性があることが分かった。また、ホールしか伝導しないTPDをDNA-CTMA層と陰極の間に挿入したデバイスでは15Vの印加電圧においてJ_<max>〜180mA/cm^2、電子しか伝導しないPOXDをDNA-CTMA層と陽極の間に挿入したデバイスでも20Vの印加電圧においてJ_<max>〜130mA/cm^2の注入電流が観測され、基本的にDNAはホールも電子も流すバイポーラー性を有することが分かった。さらに、DNA-CTMAをホール輸送層に用いたDH型OLEDでは最大量子効率η_<ext>=7.0±0.2%の高効率な値が得られDNA-CTMAはホール輸送層に適していることが分かった(Appl.Phys.Lett., submitted)。今後,Time of Flight法によるDNA薄膜の電子・ホール移動度の評価を進めていく。
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Research Products
(1 results)