2004 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノスケール加工を実現するためのフェリチンタンパク質の二次元結晶化
Project/Area Number |
15360013
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浦岡 行治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (20314536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 裕司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40335485)
冬木 隆 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (10165459)
畑山 智亮 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (90304162)
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Keywords | バイオナノ / フェリチンタンパク / ボトムアップ / 自己組織化 / バイオミネラリゼーション / プラズマ |
Research Abstract |
これまで我々はフェリチンのデバイス応用を目指し、フェリチンタンパク質のSi基板上への2次元結晶化及び高密度吸着を検討してきた。フェリチン溶液濃度、吸着時間、基板-フェリチン間の静電相互作用などが吸着量に対する重要なパラメータである事を示してきた。本年度は、表面を高分子電解質でコートした基板を用い、フェリチンタンパクのさらなる高密度化、および選択的な吸着を試みた。SiO_2上に、正あるいは負にチャージした置換基を持つ高分子電解質薄膜をスピンコート法により作製し、この高分子薄膜上にフェリチンを滴下・吸着させ、フェリチンタンパク薄膜を作製した。高分子修飾していないSiO_2基板上においては、スピンコート法によって作製したフェリチン薄膜は極めて低い吸着量を示したが、高分子電解質薄膜処理を行う事で吸着密度が劇的に向上した。フォトリソを用いて高分子薄膜パターンを作製しフェリチンを吸着させたところ、高精度での高分子薄膜上へのフェリチンタンパクの選択的な吸着が観測された。Feコアをメモリーなどのナノドットとして利用するためにはコアを還元し、導電性化することが重要となる。そこで、この絶縁性Feコア上に非結晶Si薄膜を堆積し、熱処理による還元を試みた。SiO_2基板上にFe内包フェリチンを吸着させ、UVオゾン処理を行いタンパク質のみを除去した。その後スパッタ法により非結晶Si薄膜を堆積し、N_2雰囲気中で熱処理を行い、X線光電子分光法により構成元素の同定をおこなった。熱処理後のスペクトルにおいては706.8eV付近にもピークが現れた。このピークはFeを示唆しており、Si薄膜中のフェリチンコアが熱処理によりFe_2O_3からFeに還元されたと考えられる。 本研究によって、フェリチンタンパクの2次元高密度吸着及びコアの導電性化に成功した。本研究の成果は、今後のタンパク超分子の半導体応用への展開を期待させるものである。
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Research Products
(6 results)