2004 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板埋め込みマイクロ二次電池内リチウムイオンの動的挙動のナノスケール評価
Project/Area Number |
15360014
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
栗山 一男 法政大学, 工学部, 教授 (20125082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
串田 一雅 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (80372639)
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Keywords | 全固体型マイクロリチウム2次電池 / ゾル-ゲル薄膜成長 / シリコン基板 / ポーラスガラス電解質 / 原子間力顕微鏡 / リチウムマンガン酸化 / リチウムアルミニウム窒化物 / 窒化物固体電解質 |
Research Abstract |
本年度は下記の3点について研究を実施した。 1)シリコン基板埋め込み300x300μm^2構造全固体型リチウム二次電池の形成 シリコン基板に300x300μm角の孔を貫通させ、孔の周辺部に他の孔との電気的絶縁のためにSiO_2構造を形成した。この孔に正極材料LiMn_2O_4用ゾルーゲル溶液を浸透させ加熱処理後、孔以外の部分を機械的研磨により除去した。正極材料上に多孔質構造を有する固体電解質Si_2-15%P_2O_5ガラスをスピンコーテイング法により形成し、さらにこの上にリチウム負極を装着した。正極材料側の孔に低融点ハンダを流し込んで対電極とした。この全固体型マイクロ・リチウム2次電池を70nAの充電及び1nAの放電により3.5V-0Vの2サイクルの充放電特性を確認したが、放電特性の更なる改善が新たな課題として残された。 2)導電性プローブを有する原子間力顕微鏡(AFM)を用いたバイアス電圧印加下のミクロン領域リチウム二次電池の充放電特性と電極表面のナノスケール評価 シリコン基板埋め込み200x100μm^2マイクロ2次電池負極上の5μm平方の範囲をPt/Ir被服AFMプローブに正負バイアスを印加しながら固体電解質中を拡散してくるリチウムイオンの動的挙動を測定した。μm^2当たり約2.9x10^<10>個のリチウムイオンの移動による充放電特性を観測した。充電時に負極に移動してくるリチウムイオンによりアルミニウム表面電極は最大30nmの隆起を示し、放電時にはもとの表面形状が再現した。 3)新しい窒化物固体電解質の合成と物性評価 新しい窒化物固体電解質としてLi_3AlN_2を合成し、4.4eVの直接遷移型バンド構造を有することを光吸収法を用いて決定した。インピーダンスのCole-Coleプロットから室温におけるイオン伝導度が約5x10^8Ω^<-1>cm^<-1>であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)