2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360027
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
上野 芳康 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00345422)
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Keywords | 光論理ゲート / 半導体光増幅器 / 超高速光通信 / キャリア冷却緩和 / 非線形光学 / 波長フィルター / モードロックパルス / 光コムスペクトル |
Research Abstract |
(1)前年度の実験研究成果「光論理ゲート出力信号中の微小歪成分の存在とその非線形光学的起源の解明」を、学術雑誌論文(11.研究発表の雑誌論文1)と関連国際会議で発表した。現在今後の高速光論理ゲート関連研究者にとって、重要な知見の1つと考えられる。なお本成果は、当研究室の博士後期課程学生とデンマーク工科大学助手が当研究室の実験設備を用いて行った国際共同実験(平成16年7月)の成果である。 (2)最終年度第1の成果は、当研究室が3年間に築いた40Gb/s〜200Gb/s実験用光制御信号源と計測技術を駆使して達成した「半導体光増幅器のキャリア冷却緩和現象と出力波長フィルターの相乗効果に起因するゲート出力信号歪成分の解消」である(11.研究発表の雑誌論文2)。「サブテラヘルツ周波数の光論理ゲートの実現」のためには、前項(1)と本項(2)の研究結果が必要不可欠と考えられる。折しも平成17年開催の3つの関連国際会議で出力波長フィルターの寄与が注目されており、本研究独自の視点と結果が今後の注目を集めると期待される。なお本成果は、前年度に偶然見出した実験研究成果を発展させた独自成果であり、当研究室の博士前期課程学生とデンマーク工科大学助手が当研究室の実験設備を用いて行った2回目の国際共同実験(平成17年7月)の成果である。 (3)最終年度第2の成果は、本研究課題の高速光論理ゲートを応用したモードロックパルス発生器による、2ps,40GHz高品質パルスと光コムの発生である(11.研究発表の論文5と6)。本パルス発生実験方法は(光信号源を必要としない)自律的な実験方法でありながら、実験で得た光パルス透過特性などを光論理ゲート基礎研究に帰納できることが判明した。当研究室の今後の400Gb/s級光論理ゲート基礎研究の一翼を担わせる構想を練り、次期の科研費基盤研究B(平成18〜20年度、「可変制御性に優れた超高速・高精度・集積モードロック光源方式の研究」)に応募した。 (4)本研究課題の初年度(平成15年度)以来の目標であったデジタル信号レート400Gb/sの実験用高速光制御信号源の手作りと光論理ゲート実験研究活動に関しては、低分散光ファイバー増幅や分散補償を行う院生の技術能力と部品購入資金が不足し、400Gb/sに達しなかった。しかし平成15年度から本年度末まで3年間の大学院生らの手で、16倍時間多重器、光パルス圧縮器(500fs)、擬似光信号変調器を手作りし、これらの取り扱い技術とノウハウを当研究室に蓄積し、200Gb/sまでの高速光信号源の手作りと光論理ゲート実験研究着手に成功した。(今後さらに1年かけ、当研究室の実験レベルを40Gb/s〜400Gb/sにまで高める予定である。)
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Research Products
(6 results)