2005 Fiscal Year Annual Research Report
科学技術計算に現れる超大規模線形方程式の数理的諸問題と高速解法の総合的開発
Project/Area Number |
15360042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
張 紹良 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20252273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 義夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (60011673)
藤野 清次 九州大学, 情報基盤センター, 教授 (40264965)
速水 謙 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 教授 (20251358)
長谷川 秀彦 筑波大学, 図書館情報学系, 助教授 (20164824)
阿部 邦美 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 助教授 (10311086)
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Keywords | 大規模線形方程式 / クリロフ部分空間法 / 可変的前処理 / 特異な行列 / 電子構造計算 / Toeplitz行列 / Bi-CR法 / COCR法 |
Research Abstract |
大規模線形方程式のクリロフ部分空間反復法アルゴリズムの研究および開発を行っている.基礎研究を続けると同時に,応用分野に現れる計算問題にも積極的にコミットして,基礎と応用の二つの面から下記の研究成果を上げている. 1.COCR法の開発:大規模複素対称行列に対して,その行列に特化した解法COCR法の開発に成功した. 従来の解法COCG法と比較した結果,COCR法が優れていることを明らかにした. 2.Toeplitz行列のためのアルゴリズムの開発:非対称Toeplitz行列は様々な工学問題に現れて,効率よく解く必要がますます高まっている.我々は演算量を増やさないという厳しい制約の下で効率の良い前処理アルゴリズムを提案した. 3.可変的前処理:我々が近年に提唱している可変的前処理の研究において,そのメカニズムを数値実験を通して明らかにした. 4.特異な行列:従来正則な行列のための解法を改良して,特異な行列に対してその改良アルゴリズムの有効性を明らかにした. 5.著名な解法の改良:CGS法の丸め誤差に弱いという短所に対して改良を行い,ロバストなアルゴリズムを得ることに成功した. 6.基幹解法の開発:新しいアルゴリズムBi-CR法の開発に成功し,数値実験などを通して,それが非対称問題の基幹解法となる著名なBi-CG法に取って代わるような性能をもつことを示した. 7.大規模電子構造計算のアルゴリズム:計算物理の専門家との共同開発として,原子軌道計算の高速アルゴリズムを開発している.線形計算部分に物理問題に特化した定式化を提唱し,並列アルゴリズムも合わせて提案して,計算速度と精度の両側面から応用分野に貢献している.
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Research Products
(5 results)