2004 Fiscal Year Annual Research Report
均質化理論によるセル状材料の微視的座屈と巨視的不安定の大規模マルチスケール解析
Project/Area Number |
15360051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 信忠 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30115539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 哲也 三重大学, 創造開発研究センター, 助手 (90345926)
奥村 大 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70362283)
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Keywords | 均質化理論 / セル状材料 / 微視的座屈 / 巨視的不安定 / マルチスケール解析 / ハニカム |
Research Abstract |
本研究では,最初に,申請者らが構築した有限変形の均質化理論を拡張し,周期セル状材料の微視的分岐条件を議論した.この結果,微視的分岐点での固有速度場を決定する境界値問題に加えて,その固有速度場は微視的分岐点での巨視的変化に影響しないことを示す直交条件が導かれた。次に,このような有限変形の均質化理論と微視的分岐条件に基づく有限要素法プログラムを作成した. 上述の有限要素法プログラムを用いて,六角形弾塑性ハニカムの面内微視的分岐と巨視的不安定を解析したところ,巨視的軟化域において周期長さに依存する長波長の微視的分岐が起きた.この分岐は2重分岐であり,波形に加えて位相という自由度を有すること,またその分岐モードには縦波成分と横波成分が含まれることがわかった.さらに分岐後解析を行った結果,単軸圧縮では,負荷方向に垂直な一つのセル列に圧縮変形が局所化することが示された.また等二軸圧縮では,長波長の微視的分岐が3つのセル壁方向に同時に起きるため,微視的分岐は非対称となることがわかった. つづいて,四角形弾性ハニカムの面内二軸分岐問題を解析した.この結果,第一分岐点で長波長分岐が生じ,微視的分岐荷重は周期セル数の増加に伴って減少することが示された.また,巨視的不安定条件の成否を調べたところ,周期長さが十分に大きい長波長分岐が起きる直前で,せん断形の巨視的不安定条件が満足された.そこで,この巨視的不安定条件を詳細に検討し,長波長分岐荷重の近似値を解析的に評価した.この近似的評価は,単軸圧縮および等二軸圧縮の両場合とも有限要素解析の結果およびエネルギー法による評価結果とよく一致した.
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Research Products
(4 results)