2003 Fiscal Year Annual Research Report
欠陥集団場のダイナミクスが導くマルチスケールモデリングのための内部構造発展の研究
Project/Area Number |
15360054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渋谷 陽二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70206150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 敦弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40324800)
尾方 成信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20273584)
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Keywords | ナノインデンテーション / 集団化力学挙動 / 変位バースト / 単結晶アルミニウム / 不安定力学挙動 |
Research Abstract |
本研究は,ナノスケールで生じる力学応答場の局所的な不安定化の連続が,マクロな力学応答場へとスケールアップしていく過程において,欠陥集団場のダイナミクスを支配する原理を見いだし,その力学現象を記述できる方法論の確立をめざしたものである.そのために,作用応力状態にかかわらず,内部構造の発展挙動を物理的に捕らえる探索システムの構築を行うことが主たる目的である.その現象を定量的にとらえるために,ナノオーダーの力学挙動を精度良く制御しつつ計測可能なナノ・インデンテーションを,ここでは取り上げた.当初計画では,ナノインデンテーションの現象の理解とそれを非破壊的に観察する検索システムとして電子線誘起超音波顕微システム(SEAM)の適用を考えた.後者については,大幅なノイズリダクションに成功し,現在観察データの取得を行っている.前者の一連の研究成果から,ナノスケールでの押込み荷重-押込み深さの関係では特異な挙動を示し,スケールアップとともにその力学的応答の変化することを見いだした.すなわち,局所的な不安定力学挙動の連続が,マクロ現象と集団化していく結果,やがて連続近似の成立するなめらかな応答へと統計平均化,巨視化していく一連の実験的根拠を得た.また,力学現象が平均化されないナノスケールで見られる「変位バースト」という現象について,その限界押込み荷重とバースト幅に線形関係があることを,種々の表面粗さを持つサンプルの実験から見いだし,その成果を出版した(11.研究発表の欄参照).その線形関係は,供試材である単結晶アルミニウムの表面結晶方位に依存して傾きがかわること,バースト前後のエネルギーバランスから推定した関係式で,その方位依存性の傾きの比がおよそ説明できることを新たに示した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 楠川章吾, 小山敦弘, 渋谷陽二: "ナノインデンテーションにおける変位バーストの表面粗さと結晶方位依存性の検討"日本機械学会関西学生会学生員卒業研究発表講演会講演前刷集. (6)-3 (2004)
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[Publications] 渋谷陽二, 都留智仁: "単結晶アルミニウムのインデンテーションによる転位の射出とプリズマティック転位ループの形成(分子動力学法によるシミュレーション)"日本機械学会論文集. (掲載予定). (2004)
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[Publications] Tomohito Tsuru, Yoji Shibutani: "Dislocation Emission and Prismatic Dislocation Loop Formation of Crystalline Aluminium under Nanoindenstation"IUTAM Symposium on Mesoscopic Dynamics in Fracture Process and Materials Strength. (Kluwerから出版予定). (2004)
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[Publications] Yoji Shibutani, Atsuhiro Koyama: "Surface roughness effects on the displacement bursts observed in nanoindentation"Journal of Materials Research. Vol.19. 183-188 (2004)
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[Publications] 渋谷陽二, 楠川章吾, 小山敦弘: "ナノインデンテーションにおける転位バーストの集団化力学挙動"日本機械学会第16回計算力学講演会講演論文集. No.03-26. 443-444 (2003)